2013年3月5日火曜日

最近観た第二次世界大戦関係の感想

この2週間で立て続けに3本の第二次世界大戦関係の映画を観ました。

  

制作年代順と観た順がたまたま一致してました。

  1. 遠すぎた橋(1977年)
  2. プライベート・ライアン(1998年)
  3. ワルキューレ(2008年)
ベースとなる出来事順に並べ替えるとこんな感じです。
  1. プライベート・ライアン(オーバーロード作戦)
  2. ワルキューレ(7月20日)
  3. 遠すぎた橋(マーケット・ガーデン作戦)
結論から言えば、個人的な関心の持ちようもありますが、私は遠すぎた橋が一番良かったなと思います。どれも良かったとは思うけど。(あ、あんまり、映画は観ない方です。)
内容を思い返す感じで、最近観た順にいろいろ書いてみたいと思います。

『ワルキューレ』は、うん、どういう内容か、ある程度、細かいところまで知ってたので、「映像化されるとこうなるかぁ〜」的な上から目線の感じで観ました。
内容は、題材となるヒトラー暗殺計画自体が小説みたいな感じなので、そりゃ面白いよね、が率直な感想。
配役はう〜んって感が否めませんでしたね。伯爵クラウス・シェンク・フォン・シュタウフェンベルクとその副官のヴェルナー・フォン・ヘフテンはいいとして、「私のトレスコウを返して!」「オルブリヒト、歳行きすぎだろ」「フロムはもっと痩せてるでしょ」って言いたかったです。いや、まだ、この3人は分かったからいいものの、クウィルンハイムは最後までわからなかった(途中で言ってたかな……)。「そうか、お前がレーマーだったのか……」だし。
ポジティブに解釈するなら、皆が皆知ってる人ばかりではないから、個人名はあまり出さないようにして、特徴的な配役で代替してるのかなっていう印象。
まぁ、配役については、勝手に知ってるだけだしってことで目を瞑るとしても、かなり興が削がれたのは、英語で喋ってることですかね。「ワルキューレ作戦」を伯爵クラウス・シェンク・フォン・シュタウフェンベルクがタイプさせるシーンを始め、口で英語を喋りながら、ドイツ語で紙にタイプされるってのはかなりシュールなものがありますね。
総括すると、個人的にはいろいろと知ってしまってるので、う〜んという感じですが、「初見だったら」という仮定に立つとそこそこ良かったのでは。初見の方はぜひとも、そのまま、この映画をご覧になって、そのあと、いろいろ知った上で、もう一度ご覧になると、どういう感想の変化が生じるのか知りたいところであります。あ、でも、初見で分かるストーリーなのかな……、という疑問も。

Further reading:

『プライベート・ライアン』は、見せる映画だなぁって一言に尽きると思います。しょっぱなから「オマハビーチ」とか出てきて、「あぁ……」って感じで覚悟固めた感じでしたが、凄惨な戦闘シーン(なんかこの表現は「閑静な住宅街」に通じる違和感がありますが)は、見事なカメラワークや仕掛け(グロ注意)など、さすがスピルバーグと言ったところ。
これらの描写の巧みさもさることながら、フィクションならではのストーリー展開も良かったと思います。
ノルマンディー上陸に際しては、降伏したドイツ兵を射殺して、ジョークを言い合うアメリカ兵に対して観客に嫌悪感を抱かせておきながら、最後はチームで唯一の"我らが"パンピー代表ことアパムと同じ感情を抱かせる。そうして、戦争の中の人間の心のあり方をえぐり出すってストーリーね。
チームで唯一の"我らが"パンピー代表ことアパムには劇中、何度も危なっかしいなとか、イライラさせられるシーンがありますが、まぁ、パンピーが放り込まれたらそうなりますわな。そういう意味でも、彼は"我らが"パンピー代表なんでしょうね。
私としては、ライアンだけ助かり、橋も奪われ、みたいなエンドの方が不条理感高まってよかったんですが、そこはアメリカンストーリーかな。
見応えはある映画だったんだけど、個人的には『遠すぎた橋』には勝てないかなという感じが否めませんでした。理由は後ほど。

最後に『遠すぎた橋』
正直言って、わかりにくいので2回観るのをおすすめします。(あるいは、事前にWikipediaの「マーケット・ガーデン作戦」の項目をご覧になるなど)
3つの空挺師団と1つの空挺旅団、1つの地上部隊が7つの橋をめぐってドイツ軍と戦うので視点がコロコロ移るし、地図がはっきり出るわけでもないので、よくわからない。加えて、出てくるおっさんたちの顔が濃すぎ&薄汚れてるのダブルパンチでわかりにくさに拍車を掛けてます(※個人の感想)。
『ワルキューレ』とは対照的に、登場する実在の人物についてはほとんど知らないので、「ギャビン准将かっこいい〜」とか「ロバート・レッドフォード若い〜」とか言いながら観てました。
『プライベート・ライアン』のクライマックスようなものも無ければ、『ワルキューレ』のようなドキドキハラハラ感もなく、淡々と話が進むわけですが、個人的にはそこが良かったです。徹底的に実話ベース。特典DVD観てると、えっ、これも実話なの?ってなります。あと、ドイツ軍はちゃんとドイツ語で喋りますしw
テーマ曲のマーチがまた素晴らしいです。
主に焦点が当たっていたのが尉官以下の前線部隊だった『プライベート・ライアン』に引換え、『遠すぎた橋』では、佐官以上の高級将校にそれが当てられてたのも良かったです。私個人の関心が軍の指揮や命令系統、組織といったものにあるということを再認識した次第ですが、前者のような作品だと、"我らが"パンピー代表なアパムがああなるような非日常な部分にスポットが当たりますが、この作品だと、「組織とは」といった主題に還元されうるように思いました(Amazonのレビューでも散見)。
また、軍の上層部の非(無能?驕り?つまらない競争心?見栄?)を告発する作品ように私は思いました。救いのない幕引きです。さっき述べた通り、淡々と流れるだけ。自分が歴史をやってるってのもあるんでしょうか、そういうのがしっくりくるんです。
77年公開というのにも注目したいですね。

まぁ、いろいろ書きましたが、どれも一長一短ありますが、どれもいい映画だったように思います。

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