2013年8月4日日曜日

映画「今日、キミに会えたら」(原題'Like Crazy')の感想[ネタバレ含む]



フェリシティ・ジョーンズのかわいさに惹かれて借りてきました、「今日、キミに会えたら」(原題'Like Crazy')。


以下、感想をつらつら書きます(ネタバレ注意)














フェリシティ・ジョーンズは超かわいかったですよ。
メイクもどちらかというと、あまり好きじゃない、というか、いいと思えない、バチバチな感じではなくナチュラルメイクな感じだったし。
フェリシティ・ジョーンズはかわいかった。

まず、開始早々、フェリシティ・ジョーンズ演じるアンナとヤコブセンじゃなくてジェイコブが恋仲になるんですが、お互いにどこにどう惹かれてひっついたのか、という描写はほぼなく、3分クッキングで言うなら「冷蔵庫で3時間冷やしておいたものがこちらです」状態。
「この映画のテーマは『遠距離恋愛』だし、それまでのプロセスを省くってのはまぁ?まぁ?ありかな」という感じでとりあえず納得しながら進めて行ったわけですが、この部分の丁寧な描写を欠いたために、肝心のテーマに感情移入できなかった感が否めないです。
端的に言えば「そんなに辛い思いまでしてこだわってるけど、この男のどこがいいの?※」

そもそも、遠距離恋愛の理由(というか、それを長引かせる理由)が完全に自業自得で、「いっしょに居たいから、就学ビザ切れるけど、アメリカに残るぅ〜。また来る時のビザはなんとかなるっしょ」って不法滞在した結果、アンナにビザが下りなくなったというもの。
就労ビザの取得がかなり難しいのは言ってるし、実際、そうなんだろうけど、そこは、ヤコブセン、じゃなくてジェイコブ、それをオファーしたアンナにNoと言うべきだっただろう。

とまぁ、「自業自得やん」という言葉を頭の中に反響させながら、さらに進めて行くわけですが、弁護士に「結婚して配偶者ビザを取得すれば、不法滞在の件は不問になる」的なことを言われて、2人は結婚するんですが、アメリカの入国管理局の配偶者ビザ担当の人に「学生ビザの違反については、そちらで解除されないとこちらではどうしようもできない」と蹴られる始末。
「弁護士、仕事しろ!!!」だし、「配偶者ビザなんてあんのかよ!!!なら、不法滞在とか無理せんで良かったんちゃうん」とやっぱり自業自得感が強まる。

さてさて、一緒に暮らせるわけでもないのに、結婚だけはしてしまった、お二人、人肌の恋しさは拭いがたく、現地夫・現地妻を抱え込むことになります。まぁ、どちらの方も、相手が複雑な事情を抱えてることは承知の上なので、その点は差し引いて観る必要がありますが、正直、主人公たちよりもこの2人の方がかわいそうでならない。
特に、アンナの両親の前で「問題があるのは分かっていますが、彼女が必要なんです」とプロポーズまでした現地夫・サイモンが超かわいそう。なんてったって、その直後にアンナにビザが下りて、「やっぱり、私、あっちにいくー」ですからね。

とまぁ、いろいろ書きましたが、個々の描写は良かったんじゃないのかなと思います。

主人公たちの使う携帯電話がとてもいい小道具として働いていて、最初はパカパカ携帯だったのが、最後はアイフォーンになっていて、2人の唯一の「つながる」ための道具という事も加わり、時の流れをうまく表現していたと思います。「時間の経過だって表現することが出来る。そう、アイフォーンならね。」
あと、ヤコブセン、じゃなくて、ジェイコブのそもそも危うかった髪が更に危うくなるのもリアリティありましたね。

アンナのもとにサイモンがなんか謎の電磁調理器具を返しに来るシーンがあるんですが、そこのヤコブセン、じゃなくて、ジェイコブ目線のカメラアングルは良かったです。
「なんで、想い合ってる自分たちは(物理的)接触が難しいのに、何の関係もない奴が簡単にこなすんだ」って。

2人が喧嘩するシーンも良かった。2人が離れがたいほど愛し合ってる、というのには、ほとんどリアリティを感じなかったですけど、喧嘩はとてもリアリティがありましたね。
「サイモンか!あいつと寝たのか!」ってのサイコーでした。言われてしまったがゆえにそうなるあたり、「予言の自己成就」っていう言葉が頭をよぎりました。

アンナとヤコブセン、じゃなくて、ジェイコブとの間ではそうでなかったのに対し、主人公たちとそれぞれの現地夫・現地妻との間には、比較的、明示的なセックスシーンがあったのは、「結婚してるのに」と観ている側に想起させる上で、それなりに効果的だったと思います。

とまぁ、ツッコミどころ、良かったところはこんな感じなのですが、全体的な感想は、「この映画は今、付き合ってる人がいる人向けの映画なんだろうな」です。特に、すでに遠距離恋愛してる人とかかな。
とりわけ、主人公間の結びつきの強さですが、そういうのをいちいち描写されなくても、今の自分の抱える関係と重ねあわせて「あ〜、分かる分かる」と思えないと、「いい映画だった」とは感じられないのだろうと思います。

少なくとも私に関して言えば、「自業自得やんw」と冷静かつ理性的にツッコミを入れられるあたり、それほどまでに感情を込められる相手がいないということの証左なのでしょう。まぁ、ぽぽさんの場合、そういう人がいてもやっぱり、その人のこと考えたら、今とおんなじ反応する可能性が高いですけど。
逆に言えば、「不法滞在で過ごした数ヶ月が彼らにとって一番幸せな時間だったのかな」と考えられなくもないですが、私は生き急ぎてる感があって嫌ですね。

だから、制作サイド意図はさておき、私は、この映画のエンドはハッピーエンドに見せかけたバッドエンドだと思いました。
「いろいろあったけど、一緒になれてよかったね」となるには、やはり、最初に戻って、主人公たちがどこにどう惹かれあったのか、という描写が圧倒的に足りないです。

だって、ヤコブセンよりサイモンの方が絶対いでしょ※

(※完全にフェリシティ・ジョーンズの側に立ったコメント)









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