2013年7月29日月曜日

歩兵方陣vs(重)騎兵突撃についての引用

引用元: 『戦闘技術の歴史 4 ナポレオンの時代編 AD1792-AD1815』 p.171
([]内は引用者による注)

カトル・ブラ[の戦い]は、騎兵の強さと弱さの両面をはっきりと示す事例だ。しかし、カトル・ブラ、そしてその後のワーテルローで、フランス胸甲騎兵の襲撃を持ちこたえた強靭なイギリス方陣のイメージは、すべての歩兵大隊は方陣を組むべきで、方陣は騎兵攻撃に耐えられるという誤った印象を与えてしまう。これは、明らかに間違った考え方だ。イギリス連隊がカトル・ブラで組んだ方陣を、当時の標準的な方陣と考えてはいけない。ナポレオン戦争の時のイギリス歩兵は、当時の最強歩兵だった。彼らの指揮と訓練はほかに類を見ないもので、頑強に陣地を守るという彼らの評判が、カトル・ブラでの素晴らしい防御で充分に証明されている。
実際に、ナポレオン戦争のあいだ、フランス騎兵も同盟国側の騎兵も、歩兵の方陣を崩している。単にある隊形を組むだけでは、騎兵攻撃を撃退することはできない。頑健な精神に並外れた訓練、冷静な勇気がなければ、押し寄せてくる重騎兵の攻撃を前にして、歩兵方陣を断固として持ちこたえることはできない。そして、そのすべてがあっても、部隊が圧倒されることもあった。つまり、イギリス歩兵がカトル・ブラ、そしてその後ワーテルローで成し遂げたことは、とてつもない偉業だったと認識しなければならないのだ。

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