2010年11月28日日曜日

アイドル/モデルの高学歴化と知識階級の貴族化

最近、アイドル/モデル(その定義はよう分からんので、あえてぼかして適当に。)で学歴をウリにしてる人が多い気がする。ていうか、多い。
なんだか、この傾向というのは、軍隊なら将校、文民なら官僚へ知識層が(特にドイツで)食い込んでいったのとなんだか似てる気がしたので、特に詳しいわけではないですが、思いついた限りを、メモ程度にまとめようかなと。

ドイツの官僚制の発達について1回生の後期で西村 稔先生(京都大学人間環境学研究科教授/法学博士)のヨーロッパ法文化論Bという一般教養の授業を受けたのでかじった程度に知っているに過ぎず、そのなけなしの知識も半ば消えつつあるのだけれども、貴族というのが武勲・血統を尊み、知識を軽んじる傾向があったよう(実際、「貴族(騎士)たるもの文字など読めてはならない」(!)という感じだったらしい)で、最初はそれで良かったのだが、大学出身者が幅を利かすようになると、彼らが貴族化して、旧来の貴族階級に食い込むようになった(という話だった気がする)。

一方、軍事の方では、今読んでる『ミリタリズムの歴史』(A・ファークツ 著)を読むと、同様の傾向があったようで、血統を尊ぶ貴族により占められた軍に、「どこの馬の骨とも分からない」知識階級、もっと適切な言い方に変えると、大学出のブルジョワ階級がそれを武器に、旧来の貴族の抵抗を受けつつ(この本の主題はむしろそちら側なのだが)も、じわじわとしかし着実に進出していった過程が見られる。

官僚階級への知識階級の進出も、軍隊への大学出のブルジョワ階級の進出も、ある時期を境に一気に進んだようである。官僚の方で言えば、ルネサンスと大学の出現が私の知る限りではそうだし、一方、軍隊の方では、ナポレオン戦争や大衆軍隊の出現あたりではないかと、今、『ミリタリズムの歴史』読んでいる限りでは思われる。

振り返って、アイドル/モデルの高学歴化を見れば、見た目は旧来型のアイドル/モデルに、非常に失礼な言い方だが、劣るものの、学歴をウリにしている人たちがその業界に進出しているというのは、上記の2例とよく似てるんじゃないかと感じる次第。先程の「ある時期」というのも、正確な時期をここで示すことはできないが、「クイズブーム」が始まった時期がこの例には相当するのではないかと。この点もよく似ている気がしてならない。

てなわけで、今借りてる本たちが一段落したら、レポートに使うためにちょっとしか読んでない、西村先生の『文士と官僚』をきちんと読もうかなと思っています。

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