2011年9月6日火曜日

『ヒトラーとスターリン』:4

『ヒトラーとスターリン』下
p.547
モロトフの返答は、間違いなく外交史上最も強烈なものだった。ドイツ人はもう英国に勝ってしまったふりをしている、と言ったのだ。したがって、ヒトラーが以前言ったようにドイツが英国と生死をかけて戦っているとすれば、自分としてはこれを、ドイツは「生のため」、英国は「死のため」戦っているのだとしか解しえない。この辛辣な皮肉にリッベントロプが全く気づかず、英国は事実上おしまいだと繰り返すと、モロトフはうんざりしながら、止めの一撃を加えた。
「だったら、我々はいったいなぜこんな防空壕にいるのだ?落ちてくるあの爆弾はいったい誰のものなのだ?」

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