2015年10月7日水曜日

Nexus5を修理に出した話

それは突然のこと

去る9月27日(月)に突然、Nexus5がお亡くなりになった。

バッテリーのみでは電源も入らず、USBポートに電源を繋いでもGoogleという文字を出して起動しようとして落ちる、起動しようとして落ちるを延々と繰り返すという始末。

今にして思えば、前々から、不意に再起動がかかる、いつの間にか切れてた等々、予兆はあった。

10月1日に不慣れな東京に行かないと行けないのにもう!というタイミングである。
見方を変えれば、このタイミングで良かったという説もあるけど。

一方、Nexus5Xの発表日の29日を明後日に控えていた。買い替えへの機運の高まりを感じないわけではなかったけど、E-mobile(現Y!mobile)でNexus5+回線の契約の際、「故障安心パック」なるものに加入しており、これを使わない手はなかったので、早速翌日修理に出すことにした。

修理してもらう

翌28日午前、京都駅のヨドバシカメラ内のY!mobileは修理受付を行っていると判ったので、持ち込んでみたものの、代替機がないと言われてしまった。
困った時のヨドバシさんの中のだし、大丈夫だろと思ってたのになぁ……、仕方ない。

うちには前の契約で使っていたSIMフリーのスマホがあるので、面倒くさいし、それを代わりに使うことにして、代替機なしで預けてしまおうかとも思った。
でも、店員さんに「SIMフリーのスマホも周波数とかあるので、一度試されてからのほうがいいと思いますよ。それで動けば慌てて修理する必要もないですし。」と的確で冷静なアドバイスを頂きまして、ここは一旦引き下がることに。

ただ、「他のショップなら代替機があるかもしれないので、電話で確認されたらいいと思います」って言われたときは「いや、その電話が壊れてるんですよ」と言いかけてやめた。

一度、大学に向かう途上、「要は、他に行けるショップで代替機のあるところに修理に出せばいいんでしょ」という当然の結論にたどり着き、研究室のPCで調べてみたら、ありました。大学の近くに。

研究室からショップに電話したところ、代替機があるとのことだったので、ひとに自転車を借りて預けることに。大した手間もかからず、30分程度で受付が完了した。

データのはなし

今回はほぼ突然死といった状況だったので、データを救出する時間がなかった。が、データ損失は皆無ではないけど、致命的なものはなかったのが不幸中の幸いだったと思う。ちょっと列挙しておきたい。

カメラのデータ

2014年3月に購入してからカメラで撮った画像・映像がすべてNexus5に収められていたけど、Android版rsyncでときどきPCにコピーを取っていたし、Google Photoにも保管していた(ただし、容量無制限で利用したいのでサイズ縮小)ので、このデータの損失は最小限に抑えられた。やったね。

LINEトークのデータ

正直、これが一番危なかったと思う。幸い、2週間ほど前に必要なトーク履歴は全てバックアップの上、zipを自分のクラウドに上げており、データの損失は2週間ほどで済んだ。
また、メールアドレス登録していなかったので、連絡先やスタンプをどうしようと一瞬焦ったけど、Facebookと連携させていたので、こちらを使ってログインすることで、これらも無事に回復させることができた。

ゲームのデータ

シューティングゲームアプリでときどき遊ぶのですが、その成績やらアイテムのデータは消えてしまうのかなと諦めていたけど、Google Play ゲームでログインするアプリだったため、その認証情報でデータを取り戻すことができた。

スマホの設定データ

アプリも壁紙も設定もほとんどがGoogleに情報が保管されていて、ログインするだけですべて復元してくれた。代替機でのログインはメインアカウントのパスワードが長すぎたのでサブで入ったため、この恩恵にはあずかれなかったけど、修理から帰ってきた自分のリセットされた機体ではフル活用できた。環境の再構築の手間がほぼ省かれた。

メールや連絡先

キャリアーメールは一切使わず、Gmailのみ使っているため、消える要素なし。

消えたデータ

VPSやPCのSSHの秘密鍵とかくらいかな……。

長々書いたけど、要はNexus5にしかないんだ!!というデータはほとんどなくてよかったという話。
Googleのコンセプトムービーでスマホがいくらぶっ壊れても、データはクラウドにあるから大丈夫ってのがあって、まさにその感じ(リンク貼りたかったけど見つからなかった)

繰り返しではあるけど、LINEが使ってる人にとっては鬼門になると思うので、メールアドレス登録かFacebook連携の少なくともどちらかはしたほうがいいし、トークを残したい人は面倒だけど、こまめにバックアップして、Dropboxとかに放り込むべき。

修理代金の話

「修理が終わったので店舗に取りに来てください」という連絡は10月6日の午前に来た。預けてから1週間。めっちゃ早い。
LGが出してきた修理代金は29,160円でだいたい思ったとおり、そこに故障安心パックが適用されて27,540円引きで、支払った額は1620円だった。
受付をしてくれた店員さんから「Nexus5の修理で一番多いのは落として割れたってパターンで、この場合、外装修理ってことで1,620円で直る」と聞いていたので、外装もボロくなっていたから、その分だけって感じ。
電源が入らない件についてはメイン基板交換対応となっているけど、これはゼロ円。

故障安心パックが540円/月で18ヶ月目での故障なのを加味すると、合計で、
1620 + 540 * 18 = 11340(円)
私はわりと納得かな。
こういう点ではキャリアから買うメリットってあるのかも、と今回の件で思った。
Nexus Protectは日本でも使えるようになったらそれでいい話ではあるけど。

2015年2月7日土曜日

長期在外研究する人向けのスマホの話

研究室で4月あたりから在外研究で長期間、海外に離れるDの先輩とお話してて、「聞いて良かった」と言ってもらえたり、「在外研究 スマホ」でググっても結果があまりかんばしくなかったりで、割と需要がありそうなので、「在外研究で長期間海外にいるんだけど、スマホとかネットとかどうしよう」って方に向けて、どうしたらいいかって話を書こうと思った次第です。

はじめに

執筆者はおうち大好き、海外に出た経験なし人間なので、現地の通信事情については明るくないこともあり、「調べる方向性」について書こうと思います。(もっとも、海外経験があっても、各国・各地方で事情は異なるでしょうから、それぞれのケースで調べていただく必要は当然あるのですが。)

SIMロック

日本の大手キャリアーの多くのスマホは「SIMロック」というものがかかっています(本記事執筆当時)。
「SIMロック」の詳細については、こちらを参照していただくとして、要点は次のとおりです。
  • モバイル通信できるスマホにはSIMカードというものが挿さっていて、これには携帯電話番号や移動端末通信網を利用するために必要な情報が書かれている
  • SIMロックはそのスマホを販売しているキャリアーのSIMカードしか使えないようにするロックのこと
  • SIMカードがないとモバイル端末として使えない(Wifiは使える)
したがって、SIMロックのかかったスマホでは日本国内のキャリアーの通信網しか使えないため、当然、海外ではそのままでは使えません。「海外ローミング」というサービスを携帯電話会社に申しこめば、SIMロックのかかったスマホでも海外で通信はできますが、その際、1日当たり数千円の費用がかかることになり、1日2日ならまだしも、それ以上になると、とても経済的とは言えません。

SIMカードは交換できる

しかし、このSIMカードは本来は交換可能なものなのです。
SIMロックさえかかっていなければ(「SIMフリー」という)、好きな通信サービスのSIMカードを挿すことができます。それはたとえ、海外のキャリアーであっても同じことです。
一方、海外では、現地のキャリアーのSIMカードが販売されています。SIMフリーのスマホさえ持っていれば、それに現地のキャリアーのSIMカードを挿せば、日本と同じように利用できます。1日当たり数千円を払う必要もありません。
また、日本でも、SIMカードだけを販売している通信業者もありますので、日本に一時帰国する際は自分の滞在期間・用途に合ったそのようなSIMカードを購入すれば、日本でも同じようにそのスマホを使うことができます。

ここまでの話を要約すると、SIMフリーの端末さえ持っていれば(ある程度の制限(後述)があるにせよ)、日本でも現地でも同じスマホを使い続けられるから、安くて便利、ということです。

SIMフリーなスマホの入手方法

では、どうやって、SIMフリーなスマホを入手するのか?ということに話を移します。

すでにスマホを持っている場合

すでにスマホを持っている場合、キャリアーや端末によりますが、窓口に行けば、「SIMロックの解除」=「スマホのSIMフリー化」をしてもらえる場合があります。
今持っているスマホに不満がなければ、おそらくこれが最も安く・手軽にSIMフリーなスマホを入手する方法なのではないでしょうか。

また、契約解除料を払って、SIMフリーなスマホを買うというのもありますが、それは次項に回収される話なので、それをご覧ください。

スマホを新規購入・機種変する場合

新規購入の場合

新規購入であれば、素直に、そもそもSIMフリーな端末を購入するのがベストだと思います。
最近では、SIMフリーなスマホはネットで買えます(Androidならもっとも有名なSIMフリーなスマホにNexusシリーズがあります)し、それに挿す用のSIMカードも数多く売られています。

もっともありえそうなケースは「今持っているスマホと契約解除月と在外研究の出発時期とに開きがある」場合かなと思いますが、その場合は、解除月に解約して、SIMフリーなスマホを買い、出発までは、用途・期間に応じて適切なSIMカードを買って挿す、というのがいいように思います。

機種変の場合

さきほどの「もっともありえそうなケース」の亜種ですが、
  • 既にSIMロックの解除をしてくれるキャリアーで契約していること
  • ほしいと思うスマホがそのキャリアーから出ていること
  • そのスマホがキャリアーのSIMロック解除の対象機種であること
  • 新規購入より機種変のほうが何らかのメリットがあること
という条件が揃えば、現行のキャリアーからそのスマホに機種変するというのもありかなと思います。わからないことがあれば、ショップに駆け込めば教えてくれますし。
ただし、契約内容についてはよく考えなければならないです。というのも、契約期間中の解除は違約金が発生しますし、月単位の契約は割高な場合があります。最後の「何らかのメリット」とこれらのデメリットとを天秤にかけて判断する必要があります。

現地で新規購入の場合

というのもありでしょうね。ただ、そういう方はこの記事は読まないんじゃないかなと思います。

SIMフリーなスマホの選び方

スマホとSIMカードの相性問題

SIMカードにはSDカードがそうであるようにサイズがいろいろあります。したがって、買おうと思っているスマホに現地で契約しようと思っているキャリアーが提供するSIMカードが物理的に挿さる必要があります。
また、スマホによっては特定の周波数が対応していない場合があります(例えば、今は知りませんが、私がNexus5を契約した当初はauのSIMカードは挿しても動かないという事例を見ました)。
事前にそのあたりも調査しておかないと結局使えない、という話になりそうです。

Google Playに対応しているか

これはAndroid固有の問題なのですが、スマホによっては何らかの事情でGoogle Playに非対応なものもあります。このような端末では、Google Playからアプリをインストールすることができないため、不便を強いられます。検討しているスマホがこれに対応しているかは事前に調査しておかないと悲しいことになります。

現地・日本でのSIMカードの選び方

SIMフリーなスマホに挿すためのSIMカードにも容量や用途により種類がかなりあるかと思います。
多くの場合、次の点が問題になるのではと思います。調査の上、それぞれご自身の都合に合わせて選んでください。
  • 通信エリア
    • 現地で活動する地域が通信エリアに入ってないと意味ないですしね。
    • 日本に一時帰国するときに利用する場合も同様。
  • 音声通話の有無
    • SIMカードによってはデータ通信のみ可能で、音声通話(電話)できないものもある。
    • ただし、通話する相手が利用しさえしていれば、データ通信に音声を乗せるLINEやSkypeを使うことで問題にならない場合も。
    • Skypeは、普通の電話番号も買えるんでしたっけ。LINEはどうだったかな。
  • データ通信容量
    • 普段から使っている量に合わせて買えば良い。自分がどれだけ使うかわからない場合は、最初は1ヶ月単位の契約から始めて、様子を見るというのもあり。
      • 例えば、在外研究先の大学や住居にwifiが通っている場合は、それを利用すれば良いのでモバイル通信量は抑えられる。
      • 逆にそのような環境でない場合、モバイル通信量で全体の通信の多くを賄わなければならない上、場合によっては、PCの通信もスマホ経由で(「テザリング」という)行わなければならないので、それも上乗せして計算しなければならない。

さいごに

長々と書いてしまいましたが、私が先輩にお話したのは上記のようなことでした。
記事を読んで下さった方それぞれの事情がございますでしょうから、この記事の内容を基に十分に調査した上で、つつがなく出発できればと思います。