2011年12月23日金曜日

「列強国への胎動期」(『戦略の形成』所収)

はじめに
「偉大な地位」への3ステップ
  • 1783〜1815:独立維持のための奮闘期
    • 独立戦争、対仏准戦争、米英戦争
  • 1815〜:経済発展・人口増・領土拡張・通商拡大
  • 南北戦争:国家の統一保証、州政府<連邦政府
アメリカの弱点
  • 戦略家の深刻なパラドックス:相反する2戦略の同時進行
    • 西部:攻勢
      • 自由民主政という「実験」の拡大への「責務」
    • 東部:防勢
  • 軍事的脆弱性
  • 地域ごとに分裂した国家像(州政府の独立性)
  • 戦略形成の「ポピュリスト的」側面
アメリカの3つの利点
  • 相対的に劣等な敵
  • 地理的条件(大西洋の存在)
  • アメリカの驚異的発展
個人主義/実用主義/戦略形成に影響を及ぼしうる組織の不在
1.
連合規約
  • ナショナリストの理想と悩み
    • 大国としてのアメリカを夢見るナショナリストたち
    • ナショナリストたちの悩み
      • 中央権力の不在/軍事的弱体
        • 原因:州政府の連邦への権力移譲の拒否
  • 海軍の不在と小規模な陸軍
    • 英・西・先住民・地中海の海賊・内乱への対処を困難に
  • より強力な国家連合への志向
  • 問題:州権/個人の自由/安全保障を維持する中央政府の並立は可能か
  • アメリカの戦略文化
    • 原因
      • 中央集権的な権力に対するイデオロギー上の不信
      • 地域主義に満ちた政治文化
    • 結果
      • 大規模な常備軍と系統立った軍事計画の成立を阻害
      • 連邦レベルでの軍備不在
  • 小活
    • 限定的な強制力の行使/ 課税による市民財産の搾取への躊躇/有権者の賛同への配慮→政府の軍事資源の動員能力の阻害
    • これらのイデオロギーは軍事的価値観(服従/規律/階層的な指揮・命令系統への絶対服従/自己犠牲)と衝突
合衆国憲法
  • 自由の思想の担い手としての意識
    • 共和制を擁護せねばならないという使命感
      • 国内的安定保障/共同防衛/自由の恩恵の保障→ディレンマ・パラドックスを孕む
  • 自由と権力のバランス問題の解決策
    • 権力分立/抑制・均衡体制
      • 憲法の軍事規定にも権限の分配が具現化
        • 州と連邦で分配(ただし、連合規約とは異なり、州政府より連邦政府に多くの権限)
        • 軍隊の統制権は連邦議会と大統領に
          • 連邦議会
            • 宣戦布告/陸海軍の創設・募集・維持/課税/借入…等々
          • 大統領
            • 陸海軍・民兵の最高司令官/軍事指揮官の任命
        • 州の軍事権限に制約/連邦政府は州に対して一定の保障
  • 3つの注目点
    • 軍事力は対外のみならず、国内的安定のためにも用いられうる
    • 過去の経験・イデオロギー由来の複雑な軍事的遺産を体現
      • イデオロギー:急進ホイッグvs穏健ホイッグ
      • 過去の経験:市民兵(3種)と正規兵との「二重の軍隊」
    • ナショナリストの主張に沿った軍事規定
  • 連邦政府に理論上無制限の軍隊招集、課税の権限
2.
1789年の議会招集
  • ナショナリストによる合衆国憲法軍事規定の4つの政策分野への分類
    • 軍事問題を処理する機関の設立
      • 迅速に陸軍省を創設
    • 民兵の規定を実行に移す
      • 州政府との権限争いの核心部分ゆえ、解決困難
      • 有能な民兵創設へのフェデラリストの希望→統一民兵法により挫折
    • 常備軍の招集or notの決定
      • 有能な民兵の創設に失敗→常備軍が必須に
      • 常備軍の失敗→連邦志願兵の登用
        • 一定の成功→政府の対応能力の高さを示す
          • フェデラリスト→軍備の必要性の証明と考える
          • リパブリカン→内乱鎮圧を例に軍事独裁の例証
        • 中間的結論=正規軍規模縮小(ただし廃止ではない)
          • フェデラリストの目標の1つを達成
    • 海軍創設or notの決定
      • ヨーロッパでの対仏戦争の影響
        • イギリスを中心として、通商活動に干渉
          • 交渉と消極的防衛策で対応
        • 北アフリカにおける軍事的真空→アルジェリアからの脅威
          • 海軍法を制定→海軍創設
      • 海軍の主要任務
        • 通商促進/保護
        • 平和時には外交官の輸送/外交交渉への参加
        • 戦時には敵国の通商破壊
        • 本土防衛(陸軍との協力)
      • 政治論争の火種に
        • リパブリカン→ヨーロッパからの孤立/資源の西部開拓への集中
          • ヨーロッパ諸国に警戒心を与え、侵略を誘発する可能性
          • 帝国主義/冒険主義の萌芽→ヨーロッパへのコミットの可能性
          • 維持費用の増大
ワシントンの大統領退任(1797年)時点
  • フェデラリストの目標は達成されず
  • ただし、前進は見られた
  • 制度・政策の今後1世紀あまりの維持
    • 能力の高い民兵/陸軍士官学校の創設には失敗
    • 永続的かつ包括的な平和期の軍事体制の構築には成功
  • 疑問点
    • 単一の共和国として存続するだけの結束力を固め得たか
    • フェデラリストは迅速に軍事力を創出し得たか
対仏准戦争
  • 国内の分裂
    • フェデラリスト
      • フランス革命の求心性への嫌悪感
      • イギリスと戦うにはアメリカが弱体という意識
        • 米英両国の通商関係の重要性を強調
    • リパブリカン
      • フランス革命の反戦性的性質を指摘
      • 1778年の米仏同盟条約を重視
    • ジェイ条約はイギリスとの平和を維持
      • 前者に与し、後者は怒る
      • フランスの対米通商破壊戦を誘発→准戦争勃発
  • 准戦争の性格
    • 宣戦布告なし/範囲が限定的/国内で強い反対運動を誘発
      • その後のアメリカが関わった多くの戦争のひな形
    • フランスの通商妨害の停止という限定的な目標に従事
      • 「抑制された敵対行為」に従事するだけで十分
      • イギリスとの同盟は却下
      • 軍事行動に制限(武装したフランス船舶に対象を限定)
      • リパブリカンへの配慮も1つ
        • 人パブリカンの反発→政府の軍事的能力の阻害→内戦勃発の前兆と見做される
  • フランスによる侵攻(対外)とフランスの扇動による反乱(対内)の二重脅威
    • フェデラリストの対応
      • 大規模な軍備計画を策定
      • 外国人法・治安法によって「国家に対する不同意を不忠行為」とする
        • リパブリカンの反発→最終的に承認
          • 「不同意は必ずしも不忠行為を意味するものではないというアメリカの伝統」の確立
  • 初めて軍事官僚制度の大規模改革を促す
  • アメリカの歴史の中で唯一、純粋に政治的な軍隊の創設
    • 軍からのリパブリカンの排除
准戦争後
  • フェデラリストの軍備計画からの反動
    • リパブリカンのジェファソンの当選
    • フェデラリストの軍事制度が存続するかが問題に
  • リパブリカン政権は穏健的ホイッグに傾倒
    • 准戦争中に承認された軍隊の多くを廃止するも、常設の軍事組織は維持
    • 陸軍解体の意思なし/フェデラリストの将校団に対する影響力の弱体化を志向
    • 陸軍士官学校設立
      • 高度に組織された民兵は確立できず
    • 海軍は維持されるも不十分な質・規模
1812年戦争
  • 複合的な要因
    • 主要因の2つはアメリカの海上通商保護能力の不在に密接に関わる
      • イギリスによるアメリカの通商妨害
      • イギリス軍による強制徴用
        • アメリカの国家統合の急所(自国民の保護は政府の最低限の責務)
    • 3つの副要因
      • 西部地域の不作→農民によるイギリスの保護政策への非難
      • アメリカに敵対する先住民へのイギリスの支援への非難
      • アメリカ人の意識の根底にある攻撃的拡張主義(to カナダ/フロリダ)
  • 行政府の立法府に対する優位性
    • 特に戦略立案について
  • カナダ侵攻
    • 構想
      • カナダを占領すれば、イギリスはナポレオン戦争への悪影響回避のためにアメリカの要求に従わざるを得なくなる
      • 侵攻ルートは限定的
    • 失敗の要因
      • 限定的な兵力
        • 連邦政府は十分な兵力を正規軍として招集できず
        • 将校の配備や編成が州政府主導ゆえに彼らを完全に国家権力に服従させることができず
        • 財政面での脆弱性
      • 国家の戦略的利害と地域・地方の戦略的利害の緊張関係
        • 各地域・地方は国家のそれとは異なる脅威を抱える
        • 戦争の地域指向性・国家戦略との関連性の喪失
          • 連邦政府の脆弱性+運輸通信手段の未発達
          • 利点もある
      • 派閥主義
        • 将校間の協力なし
        • 軍種間の調整なし、計画のための組織なし
        • フェデラリストの戦争反対
          • カナダ侵攻作戦にも悪影響
  • ガン条約
    • 戦前の領土状態への回復・米加国境紛争解決のための共同委員会設置・戦争原因となった問題については放置
    • 当初の目的からすればアメリカの失敗
    • ただし、3つの理由からアメリカの外交的勝利
      • 戦争の発端となった諸要因は喫緊の問題ではなくなる
        • 海上問題の解決(←ヨーロッパ戦争の終結)
        • 先住民の脅威の排除
      • 戦争目的の、イギリスからの譲歩引き出しから領土損失なき国家存続への変化
        • (クラウゼヴィッツの援用)
      • イギリスの侵攻阻止
  • ヨーロッパ諸国にアメリカの独立と国家制度の堅牢さを知らしめる
3.
アメリカの拡大
  • 領土拡張による新たな安全保障上の問題の出現と既存の問題の深刻化
    • 防御すべき海岸が東海岸だけではなくなる
    • カナダとの国境の長大化
    • 南西部でのスペインおよび後のメキシコとの国境摩擦→戦争
    • カリブ海のヨーロッパ勢力
    • 先住民
  • 1812年戦争の衝撃
    • リパブリカンによる「節度ある軍備を整えるべきだとする」フェデラリストの考え方の再評価
      • 既存の軍事組織の強化・刷新
      • 戦略家の期待
        • 軍備の整備により、大陸領土の防衛/民主主義制度の維持/通商活動の促進
      • 地理的位置により、ヨーロッパ規模の軍備は不要
    • 戦争計画の基盤としての正規軍の維持
    • 参謀本部の設置・発展/総司令官職の設置
      • 制度不備
    • 民兵問題の未解決
      • 民兵は正規軍で置き換え
      • 正規軍は志願兵で補強
        • 志願兵は南北戦争直前に急増し、組織された予備兵として高次的役割
    • 要塞設備への予算集中
      • 海軍は小規模に維持される前提
    • 輸送網の拡充
    • 海軍の整備
      • 通商保護のため警備区域制度
      • 軍政・軍令システムの不十分
      • 保護対象と保護主体の量的差
経済発展と領土拡大・人口増
  • 通商拡大
    • 海軍との連携による
  • 領土拡大
    • Manifest Destinyによる先住民領土の征服への理論的補佐
    • 対スペイン・メキシコとの戦争勝利
      • 制限戦争
        • 限定的な戦略目標
        • 国内的な反発
          • 「正か不正かにかかわらず、我々の国家」というスローガンに対する批判
  • 人口増
  • 経済発展
    • 農業の効率性・経済生産性の向上
    • 輸送手段の発達
    • アメリカ式製造法
軍備に対する論争
  • 地理的位置により、常設軍備(陸軍)は不要
    • 膨大な資源と輸送力により余裕を持っての兵力動員が可能
    • 海軍・要塞の重視
  • 依然としてアメリカは脅威に晒されている
    • 過去の戦争の経験
    • 蒸気船による時間距離の短縮
3.

  • 北部諸州の戦略
    • 戦略形成における個人の果たす役割の大きさとその非制度的性質
      • 戦略形成への国民性の反映
        • 個人主義/最小限の制度上の制約/実用主義
        • 正式な政策を案出するための制度・組織的手続きの不在
        • 軍事編制の弱い制度内での連携
          • 平和時に総司令官が容易にワシントンから司令本部を転出可能
        • 現実的かつ柔軟な姿勢で対応する戦略家
          • リンカンも同様
            • 方針を持たないことを方針とし、一貫性や教条主義的な解決方法に感心を示さず
    • 戦争開始時には相当程度の知性の人間が要職に
      • 戦争の経過に伴って同様の人が他にも高位に
      • 物事を明瞭かつ深く洞察できる自分つのみが対応できる戦略上の問題に直面
南北の比較と採りうる戦略の検討
  • 人口と経済力
    • 北部が人口増加と経済の近代化の中心
    • 人口
      • 北部
        • 白人人口2000万人
          • 移民や黒人の新規採用による人的資源の補充
      • 南部
        • 白人人口600万人
          • 奴隷労働により理論上すべての白人男性を兵役に注ぎ込める
          • 人的資源の総量は一定
    • 北部の財政資源および産業資源の圧倒的保有
    • 鉄道網の北部の圧倒的有利
  • 人的資源・財源・物的資源での北部の有利を相殺する2つの要因
    • 数値化できない要素
      • 北部の国境沿いの奴隷諸州の動向
        • 南部に転ずればこれらのバランスが是正される可能性
      • 戦争の継続期間
        • 北部がこれら潜在的軍事資源を顕在化するまでに南部が勝利を収める可能性
        • 南部に与してのヨーロッパの干渉の可能性
      • 指導者の資質
        • リンカンは軍事指揮官としての教育・経歴が浅い
        • デヴィスは対照的
      • 士気持続性
        • 南部側に有利
          • 独立戦争の記憶とのオーバーラップ
    • 独立戦争の先例
      • 人的・物的資源で圧倒的有利なイギリスvsアメリカ
      • 北部は広大な土地を征服せねばならない
        • 北部の人的資源はそれに耐えうるか?
        • 短期戦の失敗
        • 敵意ある住民の地域での戦闘行為
        • 戦場での数的圧倒の失敗
        • 長大な補給線
          • 南軍の北軍補給線への襲撃
北軍の戦略の進化
  • 北軍の戦略に求められる複雑な計画とタイミング
    • 統一的な組織の必要性(陸海軍諮問委員会/各部局間の協力)
      • 参謀長職の設置による連絡の円滑化
        • 便宜的な対応であり長続きはしない
  • 最終的には南軍の兵站資源の枯渇(消耗作戦)/軍隊の全滅(殲滅作戦)を志向する戦略へ帰着
    • 南部の戦争遂行能力の消耗
      • とりわけ銃後の士気低下
    • 消耗戦略を採用する上での障害は、短期戦による解決を求める北部の住民(スコットの考え)
  • 北部の戦争目的の臨機応変さ
    • 奴隷解放宣言はその一環(北部の戦争努力に根拠/イギリスの干渉阻止)
    • 人的資源不足解消のため、個人の自由・州の自律性の不侵害という伝統的制約を乗り越えての徴兵制の実施
      • 志願入隊の増加を目的
  • 内部での反対分子の存在
    • これまでの戦争と同様
    • 奴隷解放/徴兵制などの政府による強制的行動に対する反発
    • リンカンは市民的自由をうばうことで鎮圧
      • 具体的内容(ムチ)
        • 軍による市民の逮捕
        • 新聞社への圧力
        • 報道記者の電報の検閲
        • 連邦議会の人身保護条例の停止
      • 空前の危機を前にしての一時的対応と弁解(アメ)
        • 「自由の侵害は一時的なものである」との声明
  • 北部の強大化
    • 戦争開始時よりも多い兵士と物資
  • 戦争の正当化(「軍隊=専制的」vs民主主義の精神の対立構造の解消)
    • 「国境を超えて未来永劫にわたり影響を及ぼすほど重要な戦争を戦っている」という意識
    • 世界の手本となる民主制度を育む特別な運命を合衆国が担っているという意識
大国の地位へ
  • 単一の政治体として存続する政府
    • 「連邦<州」の構造の確定
  • 大多数の開明的国民と未曾有の経済力を持つ政府
    • 豊富な天然資源
    • 広大な領土
  • 政府の巨大な軍事力の創出能力
【追記】(12.01.19)
民兵・ 常備軍・ 正規軍(兵)・志願兵

議論の発端
調査結果
[強調部は引用者による]
非常に眠たかったのであの時は混乱していたが、だいたい思ったとおりだった。

民兵(Militia)
  • Militia in https://op.kulib.kyoto-u.ac.jp/webopac/catdbl.do?pkey=BB03312125&initFlg=_RESULT_SET_NOTBIB
    • 国の正式軍人ではないが、武装した市民および軍事組織。
      • アメリカは入植以来数多くの戦争を経験してきたが、これを戦う上では正規軍人以外の人手も必要とされた。そこで、平時にはそれぞれの職をもち、非常時のみ召集される軍人、つまり民兵が参戦したのである。こうした民兵制度は1792年の民兵法(Militia Act)や合衆国法典(United States Code)に見られる。州兵(National Guard)はこの法典に規定される民兵として現存しており、通常は各州知事が統括しているが、非常時には大統領により正規軍へ編入される。[...]
常備軍(Standing Army)
  • 常備軍 standing army in 前掲書
    • 平時おいても常置される軍隊。[...]絶対主義国家になると[...]常備軍が設置されるようになった。しかし、それは王家の利害を守る私兵的傭兵軍であった。それが18世紀のフランス革命を契機に解体されていき、国家の軍隊として常備軍が誕生した。[...]

正規軍(Regular Armed Forces)
  • 正規軍 in ブリタニカ国際大百科事典(電子辞書版 2008)
    • 一国の法令によって組織され、政府によって正式に任命された指揮官の指揮下にある軍隊。民兵隊、義勇隊、レジスタンス、郡民蜂起などの非正規軍に対比される。ただし、国によっては民兵・義勇兵をもって国軍の一部または全部を構成する国もあり、そのような国についてはこれも正規軍とみなされる。正規軍および一定の要件を具備した非正規軍の構成員は交戦資格を持つ。[…]
志願兵(Professional Service)
  • 志願兵制度 in 前掲書
    • 徴兵制度にたいして、志願兵によって軍隊を構成し、維持する制度。[...]アメリカでは植民地時代に義務兵役による民兵は、騎兵や、砲兵の高価な装備を買うことができなかったために、裕福な市民が志願したことに始り、州兵がこの伝統を引き継いでいる。[...]
現段階での結論
  • 本論文における正規軍は常備軍と読み替えて差し支えない。
    • 本論文における正規軍、志願兵、民兵の差は次の本文中の次の一文に要約されている。
      • 植民地時代、独立戦争期、そして国家草創期における軍事的体験は市民兵と正規兵という「二重の軍隊」を中心に展開された。この「市民兵」という用語は、(1)共同民兵、(2)志願兵からなる民兵、(3)民兵に属さない志願兵という三種類の複雑な混合軍を表すものであった。(p.429)
      • この後、ここにおける共同民兵は上の志願兵で説明されているところの「徴兵」による民兵と解説されている。
      • また、この後、正規軍の説明が加わるが、その中で「2631人の将兵からなる常備軍」とある
  • したがって、少なくともこの論文では以下のように区別・対比されるべきと思う。
    • 正規兵と民兵は構成員の従軍期間(常時/臨時)により区別される。
      • また、法的には民兵は非正規兵。ただし、交戦資格は条件を満たせば認められる。
        • 国際法(ただし、「現在の」という留保がつくため、本論文でも適当とは限らない)上、民兵に交戦資格が与えられる条件(ブリタニカによる)
          • 指揮者に統率されていること
          • 共通の標識をつけていること
          • 公然と武器を持つこと
          • 交戦法規を守ること
            • (上の3つも交戦法規の規定では、と突っ込みたくなるが我慢。)
    • 志願兵は「志願」という編成の過程において国民皆兵制に基づく共同民兵と区別される。
    • 志願兵の性質は志願先によって変化する
      • 民兵隊への志願兵
        • 富裕層による半ば趣味/装備においては充足傾向(上記、調査結果中の「志願兵」の当該部分に相当)
          • のちの州兵に進化
      • 現地召集の志願兵  
        • 社会的身分の低い層/にわか仕立て
        • 民兵より軍務期間が長い
          • 職業軍隊としての性質を帯びる
        • 熟練度は高いが常備軍ではない
          • 緊急事態の終了に伴って解散
        • 1790~WWIにいたるまで、人的資源を動員する主要な方法


2011年12月4日日曜日

「世界戦略の起源-イギリス(1558〜1713)」(『戦略の形成』所収)

読書メモ(難しかったので細かめに)
本論の問題関心
エリザベス1世〜現代にかけてのイギリスの戦略は「海洋国家としての立場」vs「大陸への介入の必要性」の緊張関係
この緊張関係の根源となる3つの政策…(a)[おそらくこの3つが全てを視野に入れる戦略=世界戦略]
  1. ドーバー海峡の制海権維持による大陸からの本土防衛
  2. イギリスの海上交易の保護
  3. 大陸での覇権国家の出現の阻止
これらの目標はお互いに結びついており、エリザベス1世時代に戦略を考える上で念頭に置かれていた
しかし、スペイン継承戦争まで実際体な戦略体系としてまとまらず
戦略体系の形成の遅れの原因…(b)
  1. 人的・物的資源の不足
  2. エリザベス1世時代の偉業の記憶
  3. 財政上の制約(→エリザベス1世時代の偉業を規定)
イギリスの地理的特性=純粋な海洋戦略に依拠できる
→2つの立場の対立…(c)
  1. 制海権の掌握のみで大陸諸国との戦争に勝つことができる
  2. 大陸諸国は陸上兵力をもってのみ打倒可能である
(c1)の戦略が比較的優位→調和の取れた戦略の形成を阻害
[本論では、スペイン継承戦争まで、なぜ(a)の3つの戦略が並立しなかったか、という観点から論じる]

メモとして分り易くするために、財政軍事政治戦略で色分けしてみたい。

海洋国家の揺籃期
(順番は狂うが)
世界戦略とは、人員・艦船・財源をハイペースで費消するもの
世界戦略の必要条件=損害に耐え、それを補充しうるだけの財政行政制度…(d)
(イギリスの状況)
財政収入の少なさ財政難
適正な規模の海軍を維持するのが困難
→長期ともなれば更に不可能に近い
→短期間で成果を上げる必要性が生じる=短期間・ハイリスク・ハイリターン(と思われる)戦略の追究
しかし、しばしば、この戦略は目標と合致しない軍事的手段を取らせることになる
議会と国王の対立→艦隊建設への投資の阻害(議会の、対スペイン同盟に資金が流れることへの恐怖)
クロムウェルの登場
議会が歳入と歳出を一手に握る
時代背景(大陸の覇権国家の出現可能性の低下)
  • スペインの弱体化
  • フランスの内憂による弱体化
この時代の2つの戦略的優先課題
  • オランダとの競争
  • 商業界からの地中海海域にコミットせよとの圧力
クロムウェルの下でのイギリス→世界戦略に「近いもの」の達成…(a')
  • スペインの交易妨害の一部達成
  • 大陸への陸上兵力によるコミットの橋頭堡確保
  • アメリカ大陸・カリブ海・自国海域でのプレゼンス維持
王政復古により後退する
オランダとの戦争に[全力を投入する]
国王との対立財政収入の問題の再浮上
名誉革命→収入と支出の主体者の立場の一致→議会が課税に賛成
債券市場の大規模化
中央銀行による政府の信用の維持
1700年までにイギリスの財政制度はヨーロッパ随一のものに…(d)の達成
ただし、世界戦略への達成はまだ←イギリスの戦略的地位
  • フランス海軍の絶頂期→英仏海峡の防衛に英蘭共同で全力を注ぐ必要性
  • フランス陸軍への対応→陸上部隊を大規模にコミットさせる必要性
1691/92年の2つの海戦世界戦略へのヒント
「牽制艦隊(fleet in being)」によりイギリス本土の防衛は可能=国土防衛に海軍力すべてを費やす必要はない
→この2つの海戦はすぐさまには顧みられず
フランス海軍の弱体化
イギリス側はフランス海軍の削減をすぐに察知することはなく、対フランス海軍の大規模戦力を残す(→世界戦略形成に遅れを生じさせる)
一方で、フランス海軍は私掠船による通商破壊へイギリスの交易を世界規模で脅かす
イギリス政府内での戦略形成の困難(戦略とは好機につなぐ選択肢を提示するもの)
徐々に海上戦略と大陸戦略とが必ずしも二項対立的なものではなく、相互に融和的であることが認知される
陸上戦略(この部分の意義付けはよく分からない)
同盟国とイギリスとの目標のずれ→マールバラの活躍でイギリスは同盟国にその戦略を押し付けることが可能に
海上戦略
(フランスの脅威が不明な中で)艦隊分割に反対する声はあったが、徐々にフランス海軍が脅威にならないことが分かり、艦隊分割の方向へ→大西洋から地中海へ主軸の移動
ミノルカの重要性の発見→ミノルカ-ジブラルタル-大西洋のラインの確保イギリスの地中海覇権確立
地中海大国としてのイギリスの出現の重要性
  • イギリスの立場を永久に変容させる
  • 政策が一定化し、地中海でのプレゼンス維持が国家としての優先課題に
フランスの通商破壊への本格的対応私掠船の減少
アメリカ大陸への進出→世界戦略の確立
[絶対的な海上優勢から相対的な海上優勢へ(?)]

2011年11月14日月曜日

仮想コンソールでの文字化けを何とかしたい

 仮想コンソールで日本語が文字化けするのを直すには、~/.bashrcに次を追記
case $TERM in
linux) LANG=C ;;
*) LANG=ja_JP.UTF-8 ;;
esac
で、次のコマンドを実行して適用。
source .bashrc 
これで、エンコードが英語になる。

→と思ったら、ログインし直すとまた□の嵐…どういう事…

追記:
bashの初期化の際に、~/.profileというファイルが環境設定として読み込まれるようです。
.profileを覗いてみると、.bashrcを読み込んでから、.profile自体に書かれた処理をするようなのですが、.bashrcを読み込んだあとに、
export LANG="ja_JP.UTF-8"
export LANGUAGE="ja:en_GB:en"
export LC_MESSAGES="ja_JP.UTF-8"
export LC_CTYPE="ja_JP.UTF-8"
export LC_COLLATE="ja_JP.UTF-8";;
とご丁寧に、.bashrcで設定したのを上書きしちゃってくれてます。
ってことで、.bashrcの方のLANG=Cの部分は消しちゃって、
case "$TERM" in
linux)
export LANG="C"
export LANGUAGE="C"
export LC_MESSAGES="C"
export LC_CTYPE="C"
export LC_COLLATE="C";;
*)
export LANG="ja_JP.UTF-8"
export LANGUAGE="ja:en_GB:en"
export LC_MESSAGES="ja_JP.UTF-8"
export LC_CTYPE="ja_JP.UTF-8"
export LC_COLLATE="ja_JP.UTF-8";;
esac
と追記すれば、仮想コンソールでは英語で、それ以外の分では日本語で、とできます。
解決解決。

参考にしたサイト
http://viva-ubuntu.com/?p=1707
(ML)
https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-jp/2011-November/003934.html

2011年11月10日木曜日

しろろさんぼっとリリースノート/Release note for shiroro_3_bot

概要
しろろさん(Twitter:@shiroro_3)のつぶやきの中から、管理人である私が独断と偏見でチョイスしたものをツイートします。
》現在、ツイート内容を増強中です。また、純度向上にも務めています。《
リプライ機能もつけていきたいと思っています。
しろろさんぼっとはランダムリプライ機能を搭載しています。しろろさんぼっとにメンションを投げると、しろろさんがいままで行ったリプライツイートの中からランダムでリプライを行います。支離滅裂な会話を楽しみたい方はお試しください。

バージョン
ver.12.01-11a
パターン数を増やしました(定期:+41 リプライ:+7)

ver.11.12-13a
パターン数を増やしました

ver.11.11.28a
パターン数を増やしました(定期:+73 リプライ:+29)

ver.11.11.17a
パターン数を増やしました(+33)
ランダムリプライ機能を付けました(約140パターン)
特定のワードに対応するリプライ機能は廃止しました。

ver.11.11.12a
パターン数を増やしました(+7)

ver.11.11.11a
つぶやきの頻度の変更(4posts/day→8posts/day)

ver.11.11.10c
パターンを整理しました(削除:6)
パターンを増やしました(8くらい)

ver.11.11.10b
つぶやき頻度の変更(2posts/h→4posts/day)

ver.11.11.10a
アイコンの色の調整。

ver.11.11-09d
アイコンの色の調整。

ver.11.11-09c
バージョン番号の管理方法を変更。
リプライ機能搭載(2種類)

ver.11.11-09b(0.15)
パターン増強(約140)。
bot用アイコンを作成。
つぶやき頻度の変更(1post/h→2posts/h)

ver.11.11-09a(0.10)
botを作成。
パターンは50~60程度。


Overview
shiroro_3_bot tweets the choicest tweets which shiroro-san(whose twitter account is  @shiroro_3) posted. They are chosen by the administrator, me.
>> I am engaged in increasing the quantity and developing the quality of the tweet patterns NOW. <<
I make some effort to increase the reply patterns.
Shiroro_3_bot has the randam reply function. If you post to the bot, it will post a reply to you, which Shiroro-san has posted as a reply.

Versions


ver.12.01-11a
New patterns are added (regular:+41 replies:+7)

ver.11.12-13a
Some new patterns are added


ver.11.11.28a
New patterns are added (regular:+73 replies:+29)


ver.11.11.17a
New 33 patterns added.
Random reply function equipped.(Approximately 140 patterns)
The reply function for specific terms removed.

ver.11.11.12a
New 7 patterns added.

ver.11.11.11a
The frequency of the tweets was changed.(4 posts/day→8 posts/day)

ver.11.11.10c
The quality of patterns was improved. (6 patterns removed)
Some patterns added (about 8)

ver.11.11.10b
The frequency of the tweets was changed.(2 posts/h→4 posts/day)

ver.11.11.10a
The colors of the icon was adjusted.

ver.11.11-09d
The colors of the icon was adjusted.

ver.11.11-09c
The rule about the number of version was changed.
The reply function was equipped (2 patterns).

ver.11.11-09b(0.15)
The number of tweet patterns was increased (approximately 140 patterns).
The icon was created.
The frequency of the tweets was changed(1post/h→2posts/h).

ver.11.11-09a(0.10)
The bot was created.
The bot had approximately 50 - 60 tweet patterns.

2011年11月9日水曜日

簡易全文検索シェルスクリプト ver.2

この間、簡易全文検索シェルスクリプトを作ったけど、実際つかてみると1単語しか検索できないという使えない感丸出しなので複数単語にも対応させてみた。たぶんいけてる。
#!/bin/bash
if [ $1 != "" ];then
words=$@
echo "${words}"
echo "Results"
echo "---------------------------------------------------------------------------"
echo $'\n'
for fn in *.txt
do
grep "${words}" ${fn} -n --color=always -2 -i
ret=$?
if [ ${ret} -eq 0 ]
then
echo ---------------------------------------------------------------------------in ${fn};
echo $'\n'
fi
done
else
echo "there is no argument"
fi

2011年11月3日木曜日

簡易全文検索シェルスクリプト

tesseractで画像ファイルから文字を抽出したので、全文検索機能も付けたくなったのでいろいろ検討。
Namazuとかも考えたけど、身の丈にあったもの、というかそんなたいそうなものいらないんじゃね、ってことでgrep+シェルスクリプトで簡単に作ってみた。
#search.sh
#!/bin/bash
if [ $1 != "" ];then
echo "Results"
echo "---------------------------------------------------------------------------"
echo $'\n'
for fn in *.txt
do
grep $1 ${fn} -n --color=always -2 -i
ret=$?
if [ ${ret} -eq 0 ];then
echo ---------------------------------------------------------------------------in ${fn}
echo $'\n'
fi
done
else
echo "there is no argument"
fi
  1. 引数なしだとエラーが出るように。
  2. 行数とファイル名が出るように。
  3. 当該箇所は赤字で表示。
は出来てるからいいんじゃないかなー。
賢いスクリプトじゃないとは思うけど、とりあえず満足。

2011年10月31日月曜日

tesseractなるものをインストールするも…

スキャン済みの書籍にOCRかけたいと思ったので、tesseract(http://code.google.com/p/tesseract-ocr/)というソフトをインストールしてみることに。
基本的な手順は基本的にReadMe(http://code.google.com/p/tesseract-ocr/wiki/ReadMe)のまま。
tesseract-3.01.tar.gzと適当にランゲージパック的なのを展開する。今回は英語。
tar zxvf tesseract-3.01.tar.gz
tar zxvf tesseract-ocr-3.01.eng.tar.gz
ランゲージパック的なのは、予めtesseract-3.01/tessdataのなかに入れておくといいらしい。
cp tesseract-ocr/tessdata/* tesseract-3.01/tessdata/
あ、そうそう、予めライブラリ類のインストールが必要です。
sudo apt-get install autoconf automake libtool libpng12-dev libjpeg62-dev libtiff4-dev zlib1g-dev
んでもってコンパイル&インストール
./autogen.sh
./configure
make
sudo make install
インストールが終わったら、tesseractで起動だっ…と思ったら、ライブラリがない的なこと言われる。
ぐぐると、http://markmail.org/message/2eqkprradbcrj2cp#query:+page:1+mid:ubdnj2daq47witkv+state:results
ldconfig
でライブラリ類が整理されるっぽくて起動できるようになった。

11.10.31 22:19追記
ランゲージパック的なのは後から入れないとだめっぽいです。嘘つき。
sudo cp tesseract-ocr/tessdata/* /usr/local/share/tessdata/

2011年10月16日日曜日

Ubuntu 11.10 私的メモ:3

11.04まで使っていた、Evolutionを11.10でも使わんとして、嬉々と入れたわけですが、新着メールが通知されない…
はっ、そういや、デフォルトのメーラーがThunderbirdに変わったんだった!
ってことで、Evolutionを11.04までみたく使いたい場合は、
sudo apt-get install evolution
のみならず
sudo apt-get install evolution-indicator
が必要です。
Thunderbirdに乗り換えてもいいんですけど、あまりいい評判を聞かないような気が…

Ubuntu 11.10 私的メモ:2

トラフィック見てると、"ubuntu 11.10 broadcom STA wireless"でこのブログにおいでの方がいらっしゃるようですが、普通に、
sudo apt-get install bcmwl-kernel-source
ってすれば、難しいことしなくても、Broadcomで配ってるSTA Wirelessドライバが入りますよーと。
Ubuntuのレポジトリに入ってるドライバは公式で配ってるのとバージョンは一緒でしたし(11.10.16現在)。
手動でDKMSに対応を…とかもいらないです。
未確認ですが、インストール時に、サードパーティー製アプリをうんたらにチェックをいれて、有線LANしておけば、その段階で入るっぽい。

2011年10月14日金曜日

Ubuntu 11.10 私的メモ:1

1だけで終わるかもしれないけど…

1)最近使用したファイルを無効化する。
sudo apt-get remove unity-lens-files
11.04の当該のパッケージ名はunity-place-filesだったけど、変更になりました。

2)システムフォントの変更。
11.10からGNOME3になったので、見た目はUnityでも、ちょいちょい、GNOME3になってた。で、ウィンドウとか画面のフォントをいじる部分が標準では無くなってて、その対応策。
sudo apt-get install gnome-tweak-tool
Unityから"gnome-tweak-tool"と入力すれば、「高度な設定」と出てくるので、後は見たとおり。

2011年10月2日日曜日

亜子さんに「ぽぽちゃん想像図」を描いていただく

ひょんなことから、亜子さん(@aco_st6very)に「ぽぽちゃん想像図」なるものを描いていただけることに。スペック指定OKとのことでしたが、よく分からないので可愛くお願いしますとだけ申し上げました。
で、できたのが……こちら……
http://twitter.com/#!/aco_st6very/status/120174144036933632/photo/1
想像図すぎるwww
で、早速、アイコンにしたのです。

しばらくこれで行きます。

2011年9月30日金曜日

「ペロポンネソス戦争におけるアテネの戦略」(『戦略の形成』所収)

たぶん3回目。現状での理解ないしは、印象深かった点をまとめておく。
  • ペリクレスがスパルタとの戦争を望んだのは、スパルタがアテネの覇権を「しぶしぶ」認めている状況から、明示的に勢力圏を分割する方向性に持っていくため。
  • そのため、ペリクレスはわざとスパルタの主戦派を炊きつけ、防御的な戦略を展開し、「拳を挙げてもアテネはたじろがない」とスパルタに観念させることを企図した。
  • 外港ピレウスとアテネ市が長城でつながれており、攻城技術が未発達のギリシャ世界では、これらの城は攻略困難であった。従って、制海権を握っている限り、また、財政が破綻しない限り、アテネは穀物を輸入することで籠城を維持することができた。
  • アテネはデロス同盟を軸に帝国を創り上げており、財政基盤は開戦当初は磐石であった。
  • だが、ペリクレスの想定したとおり、スパルタは合理的な判断を下さなかったし下せなかった。
  • 戦争は当初の想定を上回る期間に延び、また、想定外の戦略活動が必要とされたため、想定よりも早く、アテネ財政は底を突きはじめた。このことから、ペリクレスの戦略は失敗の運命にあったと言える。
  • ペリクレス亡き以降も数年はその防御戦略が維持されたが、大局に影響はなく 、アテネ市民の一部では、戦略に変化を求める動きが出る。
  • アテネ内部での足の引っ張り合いが半端ない。1つの戦略に集中して取り組むことができたのはやはりペリクレスただ1人であった。
  • アルキビアデスの戦略眼はすごい。(WWIでトリポリ上陸作戦を企図したチャーチルの原則を援用して、彼の戦略を検討している点に注目。筆者はトリポリ上陸作戦の失敗について、戦略上の過誤ではなく、実施上の不手際に原因を帰している点から、チャーチルの原則はかなりの妥当性を持っていると考えている。ジュリアン・コーベットのイギリスの戦い方とよく似ている。)
  • シラクサ遠征は民主制の難しさを示している。非戦派のニキアスは、本心では反対の遠征に必要な人員を過大に民会にふっかけることで、遠征自体への反対を期待したが、スパルタへの不信感・敵愾心に満ち溢れる民会は、決定的勝利を追求してこれを許可してした。また、増援を要求するに際しても、同じことを意図したが、これもまた同じ結果に終わり、最終的にシラクサ遠征は不必要かつ喪失すれば国家存亡に関わるほどにまで大軍となってしまった。当のアルキビアデスは反対派により失脚させられてしまっていた。
  • 大軍の喪失・艦隊への大打撃・都市内の派閥争い・帝国内の反乱と災厄に見まわれつつも、アテネはスパルタとの対抗を維持する。しかし、ペルシャの財政支援を受けたスパルタは海上からアテネを締め付けることを企図し、これに成功する。(筆者は記していないが、アメリカの対日戦争計画・オレンジプランとよく似ている気がする。)
  • ペロポネソス戦争は典型的なランドパワーとシーパワーの激突であり、両者は各々得意とする戦い方(戦場)を以て勝利を目指したが失敗に終わる。一方が他者に勝利するためには、スパルタがそうしたように、相手の土俵で決定的勝利を得る必要があった。
  • ペリクレスの戦略が成功する可能性は、アテネがペロポネソス同盟諸国の痛点に攻撃を加える能力を維持している場合にのみ見いだせるものであった。
  • アテネの成功体験が損害を覚悟の上で陸上でスパルタを撃破するという方向へ自らを導くことを拒んだ。アテネはあまりにもローコスト・ローリスクで勝利を得ることに慣れすぎていた。
  • ペリクレスが疫病で倒れずもっと長く生きていたなら、その防御戦略に代わる適合的な戦略を見付け出していた可能性が高い。アテネをまとめ、一貫して戦略を実行することができたのはペリクレスただ一人であった。 

2011年9月27日火曜日

ズームイン朝のMCとジョッフル

ズームイン朝のMCは降板すると、フリーになる(退社する)。
一方、第一次世界大戦のフランス軍ではフランス陸軍最高司令官のジョッフルが元帥に昇格して、事実上更迭される。
なんとなく、似てるなぁ。

Wikipedia: ドライゼ銃

この新兵器は1848年からプロイセン軍で徐々に配備が始まり、1849年にドレスデンで発生した5月暴動の市街戦において初めてプロイセン軍によって実戦使用されたが、1848年のベルリン暴動で武器庫から多数が盗難されてしまったため、その機密が維持されていた時期は短かった。
プロイセンの台頭と共に、プロイセンと同盟した他のドイツ各州にも普及していったが、保守的だった多くの欧州諸国の陸軍は、ドライゼ銃の紙製薬莢にも後装式の優位性にほとんど理解を示さず、1860年代にプロシアが対外膨張へ転じるまでの長い期間、ドライゼ銃は過小評価され続けていた。
ナポレオン戦争以後、第一次世界大戦以前の軍の保守性というのはいろいろ耳にする(機関銃による濃密な火網の過小評価、決戦兵科としての騎兵の重視、その他もろもろ)ところであるが、この保守性とは他の時代と一線を画するものなのだろうか?
つまりは、この保守性は「他の時代と比べて」保守的である結果のか、そもそも、軍の保守的な「時代を越えた」ありかたが「世間一般に暴露される」ことになった結果のものなのかという疑問である。
前者については、
  • ナポレオンの登場のインパクト(そしてまた、それに対して勝利したという成功体験のインパクト)が強すぎた
後者については、
  • 軍というのが階級を持つものであり、概して年功序列であり、技術・方法論で大変革があると困る上の人が多いのはいつの時代も同じ
  • ナポレオン戦争以後の国民意識の高まり、新聞などの情報伝達手段の発達から、(よく知らないが、従軍記者などによって)軍にも透明性が生じつつあった 
というのをそれぞれパッと思いついた。また思いついたらちまちまと書こうかな。

2011年9月11日日曜日

『ヒトラーとスターリン』:7

『ヒトラーとスターリン』下 p.672 (訳者・根岸隆夫氏による2001年の解説)
独ソ不可侵条約の研究者キャメロン・ワットの論文「諜報活動での驚き―ナチ-ソヴィエト協定の予測に失敗した英国外務省」(雑誌『諜報と国家安全』1989年4月号収録)は、クリヴィツキーが1939年4月29日の『サタデー・イヴニング・ポスト』誌で独ソ不可侵条約締結4ヶ月前に独ソの接近を予測、5月4日に、『ボルチモア・サン』紙記者にリトヴィーノフ外相の解任でスターリンはヒトラーに接近意思を明確にしたとし、同じ2つの記事でスターリンの同郷グルジア出身のカンデラキ・ベルリン駐在ソ連通商代表部による1936年と1937年の冬にかけての対独接近工作に触れているのにかかわらず、英国外務省は全く信憑性に欠くとして無視したと論じている。これは日本外務省とて同じで、クリヴィツキーの証言は公開情報なのであるから、これを重視して独ソ接近のシナリオを描くこともできたはずだ。何よりも日本の外交暗号を(それに陸軍暗号も?)破ったと彼は言っているのであるから、暗号の徹底的変更を行って、1940年代に日本が経験する悲劇を少しでも和らげることができたのかもしれない。公開非公開を問わず情報一般の重要性にわれわれ日本人は著しく鈍感だ。日本語は難しい、外国人にはわかるはずがない、というのは驕りであり無知であるが、当時も今もあまり変わっていないようだ。現在日本の政治・経済・軍事・企業の情報がどれほど刻々垂れ流されているか、想像するだに背筋が寒くなるではないか。ましてインターネットの時代である。昔は今の鏡なのである。

2011年9月10日土曜日

『ヒトラーとスターリン』:6

『ヒトラーとスターリン』下 pp.627-628
情報源、組織、その長がみな優秀だったのなら、いったいなぜソ連はドイツの侵略にあれほど無防備だったのかと問われて当然だろう。
ジューコフはのちに「問題はゴリコフがスターリンの直属で、他の誰にも、参謀長[ジューコフ自信]にも国防人民委員のティモシェンコ元帥にさえも報告しなかったことだ」と述べている。
ゴリコフはスターリンの子飼いで、スターリンはゴリコフの情報本部が作成した報告と分析を読むだけだったのだ。スターリンはチャーチルとちがって、情報の意味と信憑性を自分で判断するために時どき原型のまま情報を調べてみる手間を決してかけなかった。そのうえスターリンは情報の区分け、すなわちマルかバツか、「信頼すべき筋」と「疑わしい筋」に仕分ける作業をゴリコフに任せっきりだった。ゴリコフがいったいどんな分類基準を用いたのか、それは誰にもわからないが、1941年3月20日に彼があちこちのGRU要員に送ったメモからいくらか想像はつく。彼はスパイ網にこう指示していた。「戦争が間近いと述べている資料はすべて、英国またはドイツの情報源によるでっちあげとみなすこと」。
赤いオーケストラの「大親分」レオポルド・トレパーもこういうメモを受け取った側だが、彼によればゴリコフはシュルツェ=ボイゼンやゾルゲやまたトレパー自身といったスパイからの重要な報告の余白に「二重スパイ」とか「英国情報」と書きなぐるのがつねだったという。こうしてゴリコフは、スターリンが自分の現実観に一致しない情報のすべてに抱く疑惑を確認させてやったのだ。
なぜゴリコフはこんなことをしたのか?明白かつおそらく正しい答えは、スターリンがそう望んだということであり、ごり古布はそれにしたがったにすぎず、ロシアの3U症候群、つまりウガダート、ウゴディート、ウツェレートと呼ばれるものを発揮したにすぎないのだろう。これは「嗅ぎつけ、胡麻すり、生き延びる」とでも訳したらいい。あるいは別の言い方をすれば、ボスが何を望んでいるかを知り、何をおいてもそれを提供するということだ。

2011年9月8日木曜日

『ヒトラーとスターリン』:5

『ヒトラーとスターリン』下 pp.611-612
こうした噂話は無意味で取るに足らぬものに思えるかもしれない。しかしこれは混乱と「雑音」を作りだすのに貢献することで偽装宣伝全体の中で極めて重要な役割を果たした。つまり本物の情報を、偽情報や歪曲や不完全な情報の海のなかに埋没させたのである。後になってみれば真実の情報を取り出すのはいつだって簡単だが、その渦中にあっては事実上不可能で、敵が「雑音」製造に成功すればするほど難しくなる。たとえばスターリンは「バルバロッサ」開始が6月22日だという正しい情報を得ていた。しかし彼のもとには開始日が4月6日から5月いっぱい、6月15日至るまでばらつきのある情報も届いており、それがことごとくまちがっていたのだから、ほんとうの日程を額面どおり受け取るのはおぼつかなかったのだ。宣伝省の高官ヴェルナー・ヴェヒターはのちにゲッベルスの手法を見事に単純な言葉でこう説明している。「バルバロッサ」の準備にはおびただしい噂がともなった。「そのどれもが等しく信憑性があり、終いにはどれがほんとうだか誰にもわからなくなっていた」。
攻撃の時が刻々と近づくにつれ、この評はたしかにスターリンと彼の諜報部の幹部たちには当たっているようだった。

2011年9月6日火曜日

『ヒトラーとスターリン』:4

『ヒトラーとスターリン』下
p.547
モロトフの返答は、間違いなく外交史上最も強烈なものだった。ドイツ人はもう英国に勝ってしまったふりをしている、と言ったのだ。したがって、ヒトラーが以前言ったようにドイツが英国と生死をかけて戦っているとすれば、自分としてはこれを、ドイツは「生のため」、英国は「死のため」戦っているのだとしか解しえない。この辛辣な皮肉にリッベントロプが全く気づかず、英国は事実上おしまいだと繰り返すと、モロトフはうんざりしながら、止めの一撃を加えた。
「だったら、我々はいったいなぜこんな防空壕にいるのだ?落ちてくるあの爆弾はいったい誰のものなのだ?」

2011年9月5日月曜日

Wikipedia:Microsoft IME

ナチュラルインプット

Microsoft IME 2002以降から、新しい入力方法として「ナチュラルインプット」が導入され、文節の区切りなどを意識せずに入力できるようになった。また、マイクをパソコンに接続することで音声認識により日本語文字入力をすることも可能となっている。ただし、ナチュラルインプットの対応アプリケーションはMicrosoft Officeなど一部製品に限られる。
またナチュラルインプットでは自動的に前後の文字列を未確定に戻して変換を行うため、再変換機能が前提にあって実現した機能である。
なお、ナチュラルインプットに対して従来の入力方法を受け継ぐものは「IME スタンダード」という名称になっている。
Officeアプリケーションを使用しているうちにIMEスタンダード・ナチュラルインプットが勝手に切り替わってしまう現象が多く見受けられる。これはデフォルトでは「Ctrl + Shift キー」が「入力方法を切り替える」ショートカットキーに設定されており、隣り合ったキーの組み合わせであることから誤って押してしまいがちなためである。言語のプロパティ(Windowsのコントロールパネル)からショートカットキーを変更または無効にすることで対処できる。
ナチュラルインプットの操作性になじまないユーザーが多い上、勝手に切り替わる現象によるストレスを味わう場合もあることから、ナチュラルインプットの評価は概ね低く、ナチュラルインプットは Microsoft IME 2003 を最後に廃止された。
誤変換
 もともと、この学習の癖はベースとなったWXシリーズにも見られたものである。WXシリーズの場合ユーザーもこの特徴を理解しており、学習されやすい入力の仕方を心掛けたり、ユーザー辞書を積極的にメンテナンスして誤学習単語を削除するなどして対処していた。自ら辞書を鍛えることによって変換効率を上げることがWX使いの醍醐味とさえ思われていた。しかし、大多数のユーザーはIMEに使いこなしの楽しみなど求めておらず、そのようなマニア向けのIMEをベースとしたことが今のMS-IMEの問題に繋がっている。もともと、この学習の癖はベースとなったWXシリーズにも見られたものである。WXシリーズの場合ユーザーもこの特徴を理解しており、学習されやすい入力の仕方を心掛けたり、ユーザー辞書を積極的にメンテナンスして誤学習単語を削除するなどして対処していた。自ら辞書を鍛えることによって変換効率を上げることがWX使いの醍醐味とさえ思われていた。しかし、大多数のユーザーはIMEに使いこなしの楽しみなど求めておらず、そのようなマニア向けのIMEをベースとしたことが今のMS-IMEの問題に繋がっている。

2011年8月31日水曜日

『ヒトラーとスターリン』:3

『ヒトラーとスターリン』下
p.467
「5月15日水曜、午前7時半。ロンドンの海軍省で床についていたウィンストン・チャーチルは、電話のベルでたたき起こされた。6週間前にダラディエからフランス首相を引き継いだ、ポール・レイノーからだった。チャーチルは寝ぼけまなこだったが、レイノーの第一声で眠気は吹き飛んだ。
「我々は敗北した」と、彼は言ったのである――興奮したようすで、英語を使って。
チャーチルはあっけにとられ、一瞬言葉を失った。
「我々は負けたのだ。」レイノーは繰り返した。「戦いに破れてしまった」。
チャーチルは必死になってレイノーを説得しようとした。経験から言えば、ドイツ軍は数日後に補給のために停止せざるを得ないだろうし、その時には反撃可能だ、と。だがフランスの首相は最初の言葉を繰り返すばかりだった。「我々は敗北した。戦いに敗れてしまったのだ」。」

2011年8月10日水曜日

『ヒトラーとスターリン』:2

『スターリンとヒトラー』下
p341
「だがジューコフは持ち前の苛烈な将軍魂を発揮して戦い続けた。あるとき日本軍の重要拠点を急襲し、大損害を出して敗走した師団長が報告に来て次の命令を仰いだとき、ジューコフは再度攻撃するよう命じた。しばらくしてジューコフは自らこの師団長に電話し、どうなっているかと聞いた。
 「いつになったら攻撃を始めるのだ?」と聞かれた師団長があやふやな態度をとったので、ジューコフはこの男を即座に師団長から解任してしまった。
「参謀長と電話を代われ」とジューコフは命じた
参謀長が電話に出ると、ジューコフは師団の態勢を立てなおして再攻撃できるかと聞いた。できると答えた参謀長をジューコフはその場で師団長に任命した。この男もまた前任者同様、攻撃に移れなかったのを見てジューコフはふたたび彼を解任し、今度は自分の幕僚をその任につけた。方兵隊と空軍の援護を受けて再度攻撃した師団は、甚大な損害を出しながらもついに日本軍拠点の制圧に成功した。」

2011年8月1日月曜日

07.31までのまとめ

お題:なぞなぞ→なぞかけ
http://twitter.com/_popopopoon_/status/95866499876651010

お題:コンタクトレンズ
http://twitter.com/_popopopoon_/status/95872118931206145

お題:シチュー
http://twitter.com/_popopopoon_/status/95874609651515392

お題:灼熱インディアンカレー
http://twitter.com/_popopopoon_/status/97679263502835715

お題:炭 餃子 蜘蛛
http://twitter.com/_popopopoon_/status/97682620317573120

お題:下着 上着
http://twitter.com/_popopopoon_/status/97686496076775424

お題:はらまき
http://twitter.com/_popopopoon_/status/97689672905539585

お題:刑事コロンボ・コンプリートDVDBOX
http://twitter.com/_popopopoon_/status/97693945823375361

お題:トンネル効果
http://twitter.com/_popopopoon_/status/97695874855088128

(╹ 無理難題がおおいお ╹)

2011年7月31日日曜日

『ヒトラーとスターリン』:1

アンソニー・リード/デーヴィッド・フィッシャー(根岸隆夫・訳)『ヒトラーとスターリン』みすず書房, 2001年
p.118
ストラングは情勢を極めてよく理解していた。そしてまたロンドンの政治家とは正反対に、ロシア人を理解していた。ソ連が英仏と協定を結びたがっていることを彼は確信していた。「だが」と彼は指摘する。「我々は、資本主義の二列強と緊密な政治軍事同盟を締結することがソ連の外交政策にとってきわめて目新しいことであることを考慮しなければならない。この口承は我々にとって同じように、彼らにとっては大冒険なのだ。こちらが相手を信用していないならば、相手も同様にこちらを信用していない。しかし我々がそうだったように、彼らも必要に迫られてこの道をたどったのだ。もし自分たちのしていることが賢明かどうか我々の心がぐらついているとすれば、それは彼らとて同様だ。これについてクレムリン内部で意見が食い違っている可能性はある。双方のこの不安のせいで、交渉はこんなに困難になっている……」。
「我々に対する不信と疑惑は交渉のあいだ薄らぐことはなかった。そして我々に対する敵意が増すこともなかったと思う……おそらくソ連には交渉のもっと早い時期に、この協定への対価を払っておいたほうが賢明だった。なぜならこちらは値切れる立場ではなかったのだし、国際情勢が悪化するにつれソ連の言い値は上がると見られた体。六月二日のソ連原案の行使をのんでさっさと決着を付けていれば、いまよりましだったろう」。
乱暴なほど正直で鋭い分析として、ストラングの手紙は非の打ちどころがない。何頁にもわたるこの手紙は専門家としての明晰な洞察を冷静に開陳しており、のちに彼が次官となって外務省の頂点を極めたのも当然である。彼は政府に直ちに軍事交渉に同意するよう求め、再度その緊急性と重要性を強調してこう書いた。「決裂は悪感情を残す。そしてドイツの行動を促すことになる。ソ連を孤立、あるいはドイツとの合作に追いやるだろう」。

2011年7月26日火曜日

07.26までのまとめ

07.26までの140字三文恋愛小説のまとめ

お題:着物の袖をちょこんとつかむ仕草
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お題:無題
http://twitter.com/_popopopoon_/status/95149344109510656

お題:花火 無言
http://twitter.com/_popopopoon_/status/95153031666085888

お題:回送電車
http://twitter.com/_popopopoon_/status/95504652115775488

お題:スイカを食べる
http://twitter.com/_popopopoon_/status/95507106790244352

お題:#冷やし中華始めました
http://twitter.com/_popopopoon_/status/95511097754398721

お題:バイト先の人間から怖い話を聞いた彼女が彼氏を迎えに呼ぶ 夢に関心を持ってくれない彼氏を惹きつける
http://twitter.com/_popopopoon_/status/95515383087370240

お題:メジャーデビュー 横綱
http://twitter.com/_popopopoon_/status/95522569142288386

お題:プラスドライバー
http://twitter.com/_popopopoon_/status/95525993950871552

お題:本棚
http://twitter.com/_popopopoon_/status/95527493536202753

またやります。

2011年7月13日水曜日

"Rule, Britannnia!"と"Land of Hope and Glory"に見るイギリス帝国の自己イメージ

先日、思いついき、Twitterでつぶやいたことをゼミの先生(近代英国史)に聞いてみました。
漠然と、ふんわりとしたことを言ったのだけど、先生は、その見方は面白いと言ってくださったので、せっかくだしまとめてみることに。

私が聞いてみたのは、「"Rule, Britannia!"と"Land of Hope and Glory"ではイギリス人自身のイギリスの自己イメージが大幅に変わっていると思いますが、どう思われますか?」です。要旨は。

詳細は、うしろのリンク(といってもWikipediaですが)を確認していただくとして、私の意見の論拠を。
この2つはそもそも何なのかというと、イギリスの愛国歌で、Rule, Britanniaは18世紀(1740)でトマス・アーン作曲/ジェームス・トムソン作詞、Land of Hope and Gloryは20世紀(1902)でエルガーの『威風堂々』に歌詞をつけたものです。
あー、もう、フルネーム書くのめんどいから、以下、RuleとLandで。

どちらもイギリスすげぇという歌なのですが、2つには大きな違いがあると思ったんですよ。
Ruleは基本的に「海」の歌です。
Rule, Britannia! rule the waves:
"Britons never will be slaves." 
上は抜粋ですが、ブリタニアは海を統べよ、と言っています。

一方、 Landには次の一節が。
Wider still and wider
Shall thy bounds be set;
boundは「境界」とかそういう意味なのですが、このboundという語は非常に「陸」を意識させる語だと思います。「海」には境界線はありませんから。
とまぁ、漠然と先生に言いましたところ、反応は先程のようですが、19世紀のイギリス帝国は「海上ルートの集積」(Rule)としての帝国から「版図の集積」(Land)としての帝国という意識上の変化が起きたのだろうと私と同意見のようでした。 (「海上ルートの集積」と「版図の集積」という言い方が興味深かった。)
あと、19世紀のイギリス帝国はある論者に言わせると、「ぼぅっとしてるうちに"Land of Hope and Glory"に見るイギリス帝国の自己イメージ大きくなった」とも教えていただきました。直接統治だとコストが…とか、そんなところらしいです。

もっと面白いのは、この2つが夏に開催されるBBC PromsのLast Nightで歌われることですね。

RuleとLandの間を埋める愛国歌をもっと検討すれば面白いかもしれないです。

関連URL
http://en.wikipedia.org/wiki/Rule,_Britannia!
http://ja.wikipedia.org/wiki/ルール・ブリタニア
http://en.wikipedia.org/wiki/Pomp_and_Circumstance_Marches
http://ja.wikipedia.org/wiki/威風堂々_(行進曲)

2011年6月18日土曜日

Ubuntu 11.04 カーネル再構築

ほとんど10.10の場合と変わらないんだけど、omnibookのMakefileのくだりが、要らなくなった。
気を効かせて、事前に編集したら、そこがエラーになったwww

2011年6月12日日曜日

Unityでファイル履歴を残さない

Unityでファイルの履歴を残さない方法。
端末で、
sudo apt-get remove unity-place-files
とするだけ。
これで、記録が残らない、というか、Unityの画面で記録が表示されなくなる。

2011年6月5日日曜日

Fedora15でbcm4312が動かない

Fedora15でFedora14と同じようにBroadcom Wireless STA Driverを入れてもbcm4312が動かなかった。
ネットで見つけた解決策をやったらうまくいった。
他の日本語の情報はなんかややこしいことしてるのが多かったけど、これが一番楽じゃないかと。
RPM Fusionのfree/non-freeのレポジトリは入ってる前提。

sudo yum install akmod-wl* kernel-devel* -y
sudo akmods --force
再起動したらOK。

参考サイト
http://www.vglug.info/forums/vglug-discussion/enable-broadcom-bcm4312-fedora-15-dell-1545

2011年5月31日火曜日

いつだかTwitterで話題になってたコラッツ問題の検証プログラム

手探りに手探りを重ねてつくってみた。
単独・範囲攻撃両対応/値の推移表示機能付き

syntax:collatz -s / -r x1 x2

#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
int collatz(unsigned long int x);


int main(int argc,char *argv[]){
unsigned long int i;
unsigned long int c;
int select;
unsigned long int x1;
unsigned long int x2;

if(argc>3){
x1=atoi(argv[2]);
x2=atoi(argv[3]);
if (x1>x2){
printf("x1 must be smaller than x2!\n");
exit(1);
}
}
else{
if(argc>2){
x1=atoi(argv[2]);
}
else{
printf("Incorrect Syntax!\nUSAGE: collatz -s/-r x1 x2(with -r option)\n");
exit(1);
}
}
if(*argv[1]=='-'){
switch (*(argv[1]+1)){
case 's':
select=0;
break;
case 'r':
select=1;
break;

default:
printf("An incorrect opption!\nUSAGE: collatz -s/-r x1 x2\n");
exit (1);
}}
else{
printf("No manipulation opption");
exit(1);
}

switch (select){
case 0:
c=collatz(x1);
printf ("%d ... COUNT:%d\n",x1,c);
break;
case 1:
for (i=x1;i<x2+1;i++){
c=collatz(i);
printf("%d ... COUNT:%d\n",i,c);
printf("--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--\n");
}
break;
}

return 0;
}




int collatz(unsigned long int x){
unsigned long int counter;
int oddoreven;
for (counter=0;x>1;counter++){
oddoreven=x%2;
if(oddoreven==0){
printf("%d\n",x);
x=x/2;
}
else{
printf("%d\n",x);
x=x*3+1;
}
}
if (x==1)
printf("%d ",x);
printf("(END)\n");
return counter;
}

2011年2月28日月曜日

Wine 1.2を入れたら、Operaのフォントがおかしくなった(解決済み)

Wine 1.2を入れたら、Operaのフォントがおかしくなった。
具体的に言うと、すべてのフォントについてゴシック指定しているのに、明朝で表示されて、非常に見にくい。
悪さしてるのは、Wineと一緒にインストールされるttf-mscorefonts-installerというパッケージっぽい。
ってことで、インストール時に工夫すれば、回避できるっぽい。
sudo apt-get install wine ttf-mscorefonts-installer-
Operaはフォント周りが本当に怪しい。新しいフォント入れるの恐怖症になります。

2011年2月13日日曜日

Network Managerを使わないで無線LAN(WPA)に接続する

Network Managerを使わずにWPAで暗号化された無線LANを使うには、/etc/network/interfacesに以下のように追記する。

auto eth1
iface eth1 inet dhcp
wpa-ssid (SSID)
wpa-ap-scan 1
wpa-key-mgmt WPA-PSK
wpa-psk (PSKキー)

これで、
sudo /etc/init.d/networking restart
とすると、無線LANに接続出来る。
…んだけど、起動時に接続されないお。

目下、対策検討中。

参考URL
http://blog.goo.ne.jp/minoh_edubuntu/e/eb838d875436844788decd79da602c51

2011年1月6日木曜日

Fedora 14から無線LANが「つながらない」 via bcm43xx

Broadcom STA Wireless Driverを指示どおり入れたのに、無線LANが「つながらない」というか無線LANモジュールが「認識されない」問題についてのまとめ。
結論から言うと、私の特殊事情が原因だった。
ここ(http://www.broadcom.com/docs/linux_sta/README.txt)の指示どおり、RPMパッケージを導入。
$ su
# rpm -Uvh http://download1.rpmfusion.org/free/fedora/rpmfusion-free-release-stable.noarch.rpm http://download1.rpmfusion.org/nonfree/fedora/rpmfusion-nonfree-release-stable.noarch.rpm
これで、non-freeのRPMパッケージのレポジトリが利用可能になるので、
# yum update
# yum install kmod-wl
これで、ドライバの導入は終了。
が、しかし、認識されない。ネットで検索かけて海外フォーラムの記事を読んでも同様の問題はなかった模様。
/lib/modules/2.6.10-74.fc14.i686/extra/wlにwl.koはあるのに…。
で、ちょっとした拍子に、uname -rとタイプすると、
2.6.35.6-45.fc4.i686
と出てきた。原因はこれ。一応、確認すると、2.6.35.6-45.fc4.i686の方にはwl.koはなかった。
要するに、yumでインストールしたのは、カーネルが2.6.35.10-47.fc4.i686の方だけだったみたいで(何となくこれは分かってた)、しかも、私の環境はUbuntuとデュアルブートで、Ubuntu側がメインだから、Fedoraの新しいカーネルが導入されても自動でGrubのメニューは更新されてなかった。新しいカーネルが入ってるのに古いのでずっと起動してたというわけ。
ということで、Ubuntuに戻って、
$ sudo update-grub
で新しいカーネルのinitrdイメージをGrubに追加して、新たに加わったFedoraのカーネルから起動すると、何事もなかったかのように、無事、無線LANが認識された。この記事もFedoraから書いてます。やったね。Fedoraの新しいカーネルがインストールされたら、Ubuntuでupdate-grub。これは忘れてはいけないということでした。まぁ、/bootのパーティションを別にしておけばよかったんだろうけど。

2011年1月5日水曜日

UbuntuでFedoraのLive USBを作る!〜そしてUbuntuとFedoraのデュアルブート

Fedora Live CDから同Live USBをUbuntuでつくろうとして苦労したので、メモっておく。
とりあえず、ISOイメージをダウンロード。

syslinuxをインストールしておく。多分入ってるとは思うけど。(私は入ってた。)

$ sudo aptitude install sysylinux
で、/mntにイメージをマウントする。正直どこでもいいけど。
$ sudo mount <ISOイメージのパス> /mnt -o ro,loop -t iso9660
マウントすると、LiveOSというディレクトリがあるので、そこまで移動。
$ cd /mnt/LiveOS
そしたら、そこにあるあたかもUSBを作ってくれそうなのをroot権限で実行する。
$ sudo ./livecd-iso-to-disk <ISOイメージのパス> /dev/<USBのデバイスファイル(sdc1とか)>
md5がなんたらとか言ってくるけど、無視してEnterすればOK。
USBメモリに対応するデバイスファイルの名前が不明な場合、ポートに差し込むと自動でマウントしてくれるので、そのままで、dfで確認するといい。あとでも使うので、しっかりと。
そして、上のコマンドを実行する前に、USBメモリをアンマウントしないとだめ。
でまぁ、しばらく待ってると、Live USBメモリが完成しましたとか言うけど、差したままリブートかけても起動してくれなかった。正確にはboot:で止まる。vmlinuz0とか入れても、途中でkernel panicで止まる。
これは、syslinuxをやり直したら解消した。
$ sudo syslinux /dev/(USBのデバイスファイル)
これで、Live USB完成!めでたし、めでたし。
知ってたら大したことないんだけどね。知らなかったから、大変だった。Linux(Ubuntu)から他のLinux(Fedora)のLive USBを作るのがこんなに大変だなんて。Winから作ったほうが(Live USB Creatorで)断然楽とか…。

それに引換、デュアルブートは楽でしたよ。
フツーにインストールするだけ。無論、Ubuntuを上書きしちゃダメですよ。
あと、重要なのは、 ブートローダーのインストール先。Fedoraに割り当てたパーティションのパーティションの先頭(PBR)ってやつを選ばないと、Ubuntuが起動できなくなっちゃう。まぁ、戻せるとは思いますけど(下のをFedoraからやって、Ubuntuに戻ってGrubを再インストールするなりすれば)。
インストールを終えて再起動すると、Ubuntuが起動するはずなので、GRUBにFedoraを認識させる。
$ sudo update-grub
これでOK。ちなみに、Fedoraを消すときは、パーティションごと消しちゃって、同じくGRUBをアップデートしたらいけるはず。

参考URL
http://coffeecode.net/archives/223-Using-Fedoras-liveusb-creator-on-Ubuntu-Lucid-Lynx.html

2011年1月4日火曜日

最新のBroadcom STA Wireless DriverをdkmsでUbuntuへ

Ubuntuのレポジトリで配布されているBroadcom STA Wireless Driver(BCM43xx用/S10eの場合、BCM4312用)[5.60.48.36]がBroadcomのオフィシャルで公開されているもの(http://www.broadcom.com/support/802.11/linux_sta.php)[5.100.82.38]より古かったので、練習がてら新しいのに置き換えてみることにした。
とりあえず、ダウンロード。で、適当にディレクトリを作ってその中に展開。
$ tar zxvf hybrid-portsrc_x86_32-v5_100_82_38.tar.gz
とりあえず置き換えてみることにした。
$ make
$ sudo rmmod wl
$ cd /lib/modules/<現在のカーネル>/updates/dkms/
$ mv wl.ko wl.ko.old
$ sudo cp <さっきビルドした、wl.ko> wl.ko
$ sudo insmod wl.ko
うん、動いた。APも認識してくれたし。
だけど、カーネルがアップデートされるたびにこれをしないといけないのか?
そういや、カーネルアップデートするときに自動で組み込んでるよな。そういや、dkmsとかいう名前だったよな。
ってことでググったら、Ubuntu Japanese Wiki(https://wiki.ubuntulinux.jp/UbuntuTips/Others/DkmsHowTo)にあった。これにしたがって作業する。
とりあえず、元の作業ディレクトリに戻って、makeしたのをcleanする。あと、一応いらないもの(README.txt)は消しておく。
$ make clean
$ rm README.txt 
ソースを展開したディレクトリごと、/usr/srcの下にコピーする。
$ sudo cp <ソースを展開したディレクトリ> /usr/src/ -r
古い方のドライバの名前に似せて、リネームしておく。そして、これをきちんと把握しておく。これ重要(後述)。
$ sudo mv <さっきのディレクトリ名> bcmwl-5.100.82.38
古いのはバージョンの後ろに+bdcomとか付いてたけど、もういいやってことで付けなかった。
で、dkms.confを古いのからコピってくる。
$ cd /usr/src
$ sudo cp bcmwl-5.60.48.36+bdcom/dkms.conf bcmwl-5.100.82.38/
dkms.confを編集する。
$ cd bcmwl-5.100.82.38
$ sudo vim dkms.conf
以下のように編集。
PACKAGE_VERSION="5.60.48.36+bdcom" => "5.100.82.38"
PATCHから始まる行をすべて#でコメントアウト(最初、コメントアウトしてなくて、dkmsがエラー吐いた。そりゃ、ないもん参照したってなぁ。)
wikiに従うと、dkms.confではPACKAGE_NAME(ここではbcmwl)とPACKAGE_VERSION(同5.100.82.38)とに一致するディレクトリ(同bcmwl-5.100.82.38)の中を読みに行くらしい。
これ以下の作業でもわかるように、このNAMEとVERSIONがdkmsでの管理情報になるよう。
ここからは、dkmsでの作業。
$ sudo dkms add -m bcmwl -v 5.100.82.38
$ sudo dkms build -m bcmwl -v 5.100.82.38
$ sudo dkms install -m bcmwl -v 5.100.82.38
(mはモジュール名、vはバージョンっぽい。) 
ここで、全部dkms 〜 completed って出たので喜んでwikiにしたがって、古いカーネルを再インストールしたら、dkmsが古い方(5.60.48.36)を自動的にインストールしてくれたorz
よく考えたら、wikiに書いてあるのは、インストールだけだった。更新じゃなかったお。
したがって、manを参考に手探りながら古いドライバをdkmsのツリーから外してやることに。
$ sudo dkms remove -m bcmwl -v 5.60.48.36 --all
インストールしているカーネルそれぞれすべて(--all)から、古いドライバを削除してくれる。
で、改めて、カーネルを再インストール。今度は成功した。
はじめから、dkms使ってやれば、よかったんやん、と自分で思ったのだが、予め展開してみて、ちゃんと動作するか確認するのが重要っぽい。結果的には合ってたそうな。ちゃんちゃん。
参考サイト
https://wiki.ubuntulinux.jp/UbuntuTips/Others/DkmsHowTo

2011年1月1日土曜日

Ubuntu 10.10のカーネル再構築

一時はやめた、カーネルの再構築をやってみた。
(1)下準備
$ aptitude search linux-source
でパッケージ名を検索し、
$ sudo aptitude install linux-source-2.6.35
でソースをインストール、というかダウンロード。
カーネルビルドに必要なパッケージをインストール。
$ sudo aptitude install kernel-package build-essential libncurses5-dev libqt3-mt-dev
これで準備OK
(2)ソースの展開。
$ cd /usr/src
$ sudo tar jxvf linux-source-2.6.35.tar.bz2
/usr/src/linux-source-2.6.35というディレクトリにソースが展開される。
(3).configファイルのコピー
$ sudo cp /boot/config-2.6.35-24-generic .config
これで、現在のカーネルコンフィギュレーションファイルがコピーされる。
(4)カーネルコンフィギュレーション
$ sudo make oldconfig
これは、新しいカーネルコンフィギュレーションとの整合性を取るためのものらしい。本来なら、新しい設定が増えたりすると、質問してくるらしいが、今回はなかった。
$ sudo make menuconfig
ここからが、実際のカーネルコンフィギュレーション。設定項目が多すぎるので、詳細は割愛するが、私のように調子に乗って「関係ねーや」とか言っていろいろ切りすぎると、kernel panicで動かなくなるので要注意。
書いてある説明では、
[*] built-in =カーネルに組み込み
[ ] excluded =カーネルに組み込まない
<M> module =モジュールにする(多分、カーネルには組み込まないけど、必要になったら呼び出すってことだと思う)
<  >が付いてるところはモジュールにすることが可能。
Shift + / 、すなわち、?を入力する要領でキーを押してやれば、その設定項目のヘルプが参照可能。
/ で設定項目のサーチが可能。 
とりあえず、Processor type and features -> Processor familiyをいじったり、Intel CPUならAMDの、AMD CPUならIntelのを切る程度から始めたほうがいいかもしれない。
あと、Networking support -> Amateur Radio support はアマチュア無線のデバイスか何か知らないけど、それがないなら絶対にいらない。
Kernel hackingはすべて切っといてもカーネル開発をしないなら問題ないらしい。
絶対にいらない(他社製で、Dell laptop support)と思えるもの以外は<M>にしておけば、なんとかなる気がする。
(5)Extraversionの変更
$ sudo vim Makefile
で、EXTRAVERSION=の後ろをわかりやすく、かつ、標準のカーネルのそれとは変わるようにしておいたほうがいい。同じ名前にすると、インストール時に当然ややこしくなる。
この部分は、カーネルのバージョンの例えば、2.6.35-24-genericで言えば、「-24-generic」 に相当する。私は、EXTRAVERSION=.original0xにしておいた。
(6)omnibookのMakefileの編集
omnibookというモジュールのMakefileに問題があり、そのため、ビルドが止まってしまうことがあった。簡単に言うと、原因は、変数の扱いがミスってるために、makeが当該のファイル(sections.lds)を参照できないため。ということで、環境によっては大丈夫かもしれないが、一応、修正しておくのが良い。
$ gksudo gedit
でroot権限でgeditを実行し(vimの検索機能の使い方を知らないorzため)、ソースのディレクトリ内のubuntu/omnibook/Makefileを開く。
で、sectionsで検索をかけると、
EXTRA_LDFLAGS += $(PWD)/ubuntu/omnibook/sections.lds
とある。ここが問題の箇所。ちなみに、変数PDWの処理がおかしい(if で分岐すると、elseの時にはソースのパスが代入されないらしい)。
で、他のサイトでは、変数PWDにちゃんと正しい値が代入されるように書き換えていたが、めんどくさいので、汎用性はなくなるが、$(PWD)を消して、絶対パスを記してやればいいと思う。どうせ、他の場所でビルドしないし。
ってことで、この箇所を、
EXTRA_LDFLAGS += /usr/src/linux-source-2.6.35/ubuntu/omnibook/sections.lds
に書き換える。
(7)いよいよビルド。
$ sudo su -
で、rootになって、
# export CONCURRENCY_LEVEL=(CPU、コア、スレッドの数より+1の数)
で、makeに使う、CPUとかの数の上限を高めておくと並列でやってくれるらしい。AtomはHTTだが、どこまでいってもシングル・コアなので、効果は限られていただろうが、一応やった。おまじない程度。
# logout 
でrootを抜け、
$ sudo make-kpkg clean 
$ sudo make-kpkg --initrd --revision=(適当。ここでは日付にしておいた) kernel_image kernel_headers
でビルドが開始される。
(8)新しいカーネルのインストール
ビルドが完成すると、1つ上のディレクトリにdebパッケージが生成されるのでこれをインストール。
$ cd ..
$ sudo dpkg -i linux-image-2.6.35.(EXTRAVERSION)_(revision)_i386.deb linux-headers-2.6.35.(EXTRAVERSION)_(revision)_i386.deb
1組しかパッケージがないなら、めんどくさいから、これでもいい。
$ sudo dpkg -i *.deb 
これでインストールされる。GRUBも自動で更新される。
(9)再起動、そして新しいカーネル(?)
再起動をかければ、自動で新しいカーネルから起動するはず。
起動しない場合(kernel panicとか)、起動時にシフトキーを押してやれば、GRUBからカーネルを選択して起動できるようになるので、きちんと動いていたカーネルを選択して起動してやればいい。
カーネルの削除自体は、aptitudeとかを使ってやれば、普通のアプリと同じように削除できる。

カーネルを再構築して速く、軽くなったかって?分からんわw
ただ、カーネルコンフィギュレーションは面白かったし、いろんなことを処理してるんだなぁってことで、Linuxの仕組みにはちょっと明るくなった。

参照したサイト一覧
http://mwlab.net/2010/07/ubuntu-10-04-rebuild-kernel.html
http://ankyo.blog.so-net.ne.jp/2010-01-05
http://ky-hive.jp/blog/?p=257
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0708/21/news018.html
omnibookのsections.ldsがおかしい原因について記したサイト
(参考にする前に絶対パスをしてしてやる解決策を見出したんだと、自分の臨機応変さについては主張しておきたい(笑))
http://ankyo.blog.so-net.ne.jp/2010-05-04-1